日本会議、安倍元首相も、ジェンダーフリーや夫婦別姓を「共産主義」と攻撃
しかも、「反LGBT」「反ジェンダーフリー」を主張する際に「共産主義」を持ち出すのは、統一教会にかぎらない。たとえば、日本会議系シンクタンクの「日本政策研究センター」が2003年に発行した冊子でも、〈暴力革命は不可能になった代わりに、共産主義者は別の方法で必ず日本解体を目指す〉〈ジェンダー・フリーによる性別秩序の解体という事態とは、まさしくこの『暴力革命』を代替する『別の手段』の一つなのです〉と記されている。
ジェンダーフリー・バッシングの急先鋒だった安倍晋三・元首相は2010年に夫婦別姓について「左翼的かつ共産主義のドグマ(教義)」と批判を展開したが、今回、西田政調会長代理が性的少数者の権利擁護の問題を「共産主義思想の延長線上にある」などと主張したのも、ようするに、統一教会や日本会議といった宗教右派の主張に則ったものでしかないのだ。
安倍元首相の襲撃事件以降、統一教会をはじめとする宗教右派の主張によって政治が歪められ、性的少数者の人権擁護や選択的夫婦別姓制度の導入といった喫緊の課題が先送りにされてきたのではないかという批判がなされてきた。にもかかわらず、いまだに宗教右派の主張そのままに「共産主義の問題」などと言い張り、当たり前の「差別は許されない」という文言さえ消されてしまう──。こんな有様で、国際社会の先頭に立つG7サミットの議長国を務めることなど、できるはずがないだろう。
(編集部)
最終更新:2023.05.11 08:01