「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」より
菅田将暉、二階堂ふみら芸能人が衆院選への投票を呼びかける動画が大きな話題になっている。
コムアイや渡辺謙、秋元才加など以前から、政権批判も含め政治問題に積極的に発言してきた人だけでなく、これまで目立った政治的発言がなく政治とは無縁な印象を持たれていた菅田将暉や橋本環奈などのメジャーな芸能人たちの呼びかけには大きなインパクトがあり、テレビや新聞でも大きく取り上げられている。低投票率が問題になるなか、意義のあるアクションだろう。
ところが、呼びかけ人の一人であるローラに対して一部でバッシングの声が上がっている。
〈ローラって投票権持ってんの?外国の方は政治に参加できませんけど?〉
〈著名人の選挙へ行こうの動画にいるローラ日本人でもない外国国籍の者が選挙に行くと嘘をつくな!〉
〈ローラは、参政権が有るのか?【内政干渉】〉
〈ローラ、選挙語ってるけど、日本で投票権あんのか…?〉
〈モデルのローラって、日本国籍なの? 投票権持っているってことは日本国籍なんだろうけど、なんか???〉
〈そもそもローラ、ロス在住でしょ! 本当に投票に行くの?〉
〈ローラって選挙権あるんだ…?? アメリカから帰ってきた??〉
〈ローラって 彼女、日本の選挙権あるの?差別するつもりはないけど生い立ちからみて限りなく外国籍っぽいし、しかも今アメリカ在住?カッコつけでいっちょかみされたくないんだけどなぁ〉
とんでもない的はずれな攻撃としか言いようがない。まずアメリカ在住であることを問題にしている人がいるが、「在外選挙制度」によって国外に居住する人の選挙権行使の機会は保障されている。ただし、今回総理就任から解散までの期間が史上最短となったため、在外投票が間に合わないかもしれないという危惧がSNSで多数見られる。もし、投票できないとすれば、重大な問題だが、これは言うまでもなく岸田首相の問題であって、ローラになんの非もない。
また「日本国籍じゃない」「選挙権あるのか」という反応も差別まるだしだ。ローラはバングラデシュ人の父と、ロシアと日本のクォーターである母との間に生まれ、幼少期の数年はバングラデシュで過ごしているが、生まれたのは日本でまた日本で長く育ち仕事もしてきた。プロフィールなどで国籍について言及はしていないが、日本国籍を有していても不思議ではない。
何十年も前に日本国籍からアメリカ国籍になっている人を「日本人がノーベル賞」などとはしゃいでいたくせに、なにを言っているのか。多様なバックグラウンドを持っているというだけで、反射的に「日本人じゃない」とか「選挙権あるの?」などとあげつらうのは、「純血主義」「ハーフ差別」以外の何ものでもないだろう。