高市早苗が「桜を見る会」問題で「安倍総理は国会審議で説明はされている」「私も本当に誠実に答弁しつづけた」
だが、この河野氏よりも話にならないのが、高市氏だ。
安倍前首相をバックにつけた高市氏は、これまでも森友再調査について「訴訟中なのでコメントはできない、するべきではない」などと発言。きょうの記者クラブ討論会では再調査の是非について尋ねられることはなかったが、代わりに追及を受けたのが「桜を見る会」問題に対するスタンスだ。
「桜を見る会」問題についての安倍前首相の説明は十分だと思うか、と問われると、高市氏はこう胸を張った。
「私も『桜を見る会』については総務大臣として、政治資金規制法などを扱う立場から、公職選挙法を所管する立場から何度も答弁に立ちました。あの時点で安倍総理自身が国会で長時間にわたる審議のなかで答弁をされた内容については、それをうかがいながら、法律に照らし合わせて、私も本当に誠実に答弁をつづけてきたつもりでございます」
「現在、刑事手続きがまだ終わっていないという状況ですので、なかなかコメントがしづらいところはございますけれども、あれだけ長い国会審議のなかで説明はされていると思っております」
安倍前首相を庇うだけではなく、「私も本当に誠実に答弁しつづけた」などと自己アピールをはじめたのである。
まったくよくも言ったものだ。高市氏といえば、安倍首相が「桜を見る会」前夜祭について、国会で「主催は安倍後援会だが、契約の主体はそれぞれ個人が支払いをおこなっている」「ホテルとの契約主体は参加者個人になる」などと常識はずれの主張をはじめ、政治資金収支報告書への収支の不記載を正当化した際、高市総務相は「政治団体の収入・支出でない場合は記載の義務はない」とアシスト答弁。政治資金規正法違反(不記載)の疑いが濃厚だったのに、高市氏は総務相であったにもかかわらず見て見ぬ振りをしたのだ。
しかし、その後、検察の捜査によって安倍首相側が参加者の費用の一部を負担していたことを示す領収書や明細書が存在することが判明。安倍前首相の第1公設秘書は収支報告書に虚偽の記載をした政治資金規正法違反で略式起訴された。だが、最初から高市氏が総務相としてしっかり調査していれば、少なくても118回もの虚偽答弁を一国の首相が繰り返すという国民に対する背信、国会の冒涜という行為をもっと早く止められたはずなのだ。
にもかかわらず、職務を怠慢してきた張本人である高市氏は「誠実に答弁しつづけた」とのたまい、挙げ句、実態は虚偽答弁だったというのに「安倍総理は国会審議で説明はされている」などと言い張ったのである。こんなバカな話があるだろうか。
しかも、この回答に対してすかさず「虚偽答弁であることも含めて説明されている、と?」とツッコミが入ったのだが、高市氏はそれでも「本人が虚偽と思って説明されていたわけではございませんし」と発言。噴飯モノのカマトトを貫いたのである。