『バイキング』で菅首相を批判した野々村
感染爆発を起こしながら権力闘争に明け暮れ、失脚に追い込まれた挙げ句、「コロナ対策に専念する」と言って退陣を発表した菅義偉首相。だが、私利私欲しかないこの男のせいで医療崩壊を招いたというのに、テレビはすっかり政局一色となり、肝心の責任追及がおこなわれる気配はまるでない。
その上、そんななかでタレントの野々村真があまりにも真っ当な菅首相批判をおこなったのだが、それが逆に猛攻撃に晒されるという事態まで起こっている。
野々村といえば、7月30日にコロナ感染が確認され、「自宅療養」中に血中酸素飽和度が90近くに低下して救急車を呼んだものの病院に搬送されず、その後、8月5日にようやく入院。重度の肺炎で人工心肺装置ECMOの使用一歩手前の状況だったというが、同月24日に無事退院した。
いわば野々村は菅政権の無為無策によって苦しめられた当事者であるわけだが、その野々村は菅首相の退陣発表について、6日放送の『バイキングMORE』(フジテレビ)にリモート出演しこう語ったのだ。
「僕は本当に申し訳ないですけれど、もっと早く菅首相には辞めていただきたかったなぐらいの思いです。もうこういうような状況にあって『いまかよ!』っていう。さんざんもう、こういう状況になって、コロナ感染がどうしようもない状況になっているときに、ここで、解散総選挙にしろ人事を変えるにしろ、またそういうことで1カ月も2カ月も国会も止まるだろうしというようなことを考えると、何にも進まないじゃないかというふうに思うし」
いまも呼吸が苦しいのか、息を切らしながらこのように切々と訴えた野々村だが、さらに「それで大物の政治家……安倍さんに麻生さんに、それで二階さん、その人たちの言うことで、やっぱり自分の言いたいことが言えなくなってしまう。一国の総理ですよ。その人がこの状況で何も言えなかったんだなっていうのはもう、つくづく国民は悲しむしかないですね」と言うと、こうつづけた。
「僕なんか生死をさまよった人間として言わせてもらいますけど、本当にいま、いまこの時点でたくさんの方が苦しんでいるんですよ。小泉環境相にも言いたいけど、泣きたいのは、泣きたくても泣けなくて苦しんでいるのは、いま本当にICUに入っている人たち、そして亡くなった人たち、そのご家族。その人こそが、本当にこの政治のおかげで命を失っていることを絶対に忘れないでほしい。それだけです」