河野太郎Twitterより
新型コロナのワクチンをめぐってトラブルが相次いでいる。26日には米モデルナ製ワクチンに異物が混入していたと公表されたかと思えば、「予約なしで受けられる」という謳い文句で27日からスタートした東京都の若者向け接種では渋谷の接種会場に希望者が殺到、本日分は現場で抽選券を配るという前時代的な方法を採用したために1キロもの長蛇の列ができあがり、ネット上では「人流増やしてるし」「東京都はアホなのか」とツッコミが溢れた。
だが、こうしてワクチンをめぐる騒動が巻き起こっているにもかかわらず、どこ吹く風とばかりに知らんぷりしていた人物がいる。ワクチン担当の河野太郎・行政改革相だ。
たとえば、モデルナワクチンに異物が混入していた問題は、26日未明に厚労省が公表。厚労省は約163万回分の接種を中止すると発表。この突然の発表によって、異物混入が判明したロット番号のワクチンを接種した人たちから不安の声があがっただけでなく、接種を中止する会場が続出するなど大混乱に陥った。
ところがこの日、当のワクチン担当である河野大臣からは、モデルナワクチンにかんする情報発信はなし。Twitterでも、朝には地元の神奈川県平塚市の市立小中学校が9月3日まで臨時休業になったことを報じた神奈川新聞の記事をツイートしただけで、夕方には「総合科学技術・イノベーション会議」にリモート参加している様子を写した写真を投稿。
しかし、絶句したのは同日夜の投稿だ。この日は『日本を前に進める』と題した河野大臣の著書の発売日だったのだが、河野大臣は著書が面陳されている書店の棚の写真をアップし、〈ウルトラマンの上にある!どこの本屋さんかな〉と投稿したのである。
かたやSNS上では、異物混入による健康被害はないのか、163万回分の接種が中止となったことの影響でワクチン接種が受けられなくなるのではないかといった不安の声が数多く寄せられていたというのに、何事もなかったかのように自著の発売にはしゃぎ、宣伝に勤しむ……。異物混入発表から丸1日以上経った27日になってようやく河野大臣は閣議後会見などでこの問題について説明をおこなったが、それでもTwitterでは一切ワクチン問題には言及せず。その一方、自著にかんする投稿にはしっかりリアクションを返していた。
「令和の運び屋」などと自称しておいて、接種中止で不安が広がっていても見て見ぬフリで、発売されたばかりの著書のアピールばかり……。結局、河野大臣にとっては、ワクチンをめぐる問題の解決や不安の解消よりも、自分の宣伝のほうが重要だということだろう。
いや、それどころか、河野大臣の過去の発言を考えれば、ワクチンをめぐる問題さえも自己宣伝の道具にしているのはあきらかだ。