夏野剛が〈税金払ってないくせに格差を問題視する若者、将来に希望なし。〉とツイート
さらに、「批判をしている奴は選挙権を返上しろ」にいたっては、民主主義の完全否定としか言いようがない。これまた当然だが、政治に詳しくない人も、無関心な人も含め、すべての国民が等しく選挙権を有するというのは民主主義の最低限のルールだ。それを総理大臣の官邸滞在時間の少なさを問題にしただけで「選挙権を返上しろ」などという暴言を吐くのは、やはり根底に民主主義否定、独善的なエリート主義があるとしか思えない。
夏野氏は、政権を批判する人たちに対して「一般ピープル」という小馬鹿にしたような言葉を使っていたが、昭和ぶりに聞くこの言葉にも、夏野氏の思想が現れている。ようするに夏野氏は、首相や自分のような“特権階級のエリート”“選ばれし人間”だけで政治をやればいい、“一般ピープル”=愚民は黙っておけ、とでも思っているのだろう。
しかも、夏野氏は政治を動かすべき“特権階級のエリート”と“一般ピープル”を、金があるかないかで分けているフシがある。
夏野氏は2013年1月に〈税金払ってないくせに格差を問題視する若者、将来に希望なし〉とツイートし、税金を払っていない者は格差に異を唱える資格はないと切って捨てたこともある。さらに「なぜ税金を払っていないと格差を問題視してはいけないのか」と問われ、〈払っている人に依存しているからだよ〉などと答えたこともある。
消費税のあるこの国ではどんな困窮者であっても税金を納めていない人などいないし、民主主義社会の大前提として納税の有無や多寡は選挙権にも政治や社会問題について発言する権利にもなんの関係もない。それを「払っている人に依存している」って、どこのモラハラ夫か。富の再分配や公共性をカケラも理解していないなどと新自由主義者に言っても意味がないのかもしれないが、ようするに、「金を持ってない人間は、金持ちに従い、社会に口出しするな」ということだろう。