被災3県の子どもたちの深夜登場に「労働基準法違反」の声 急遽動員の結果か
開会式の翌日、24日の午前に放送されたフジテレビの東京五輪番組で、開会式の舞台裏に独占密着した模様を放送したのだが、そのなかで、被災3県の子どもたちが開会式の4日前に国立競技場に呼び出され、組織委の橋本聖子会長が聖火ランナーに任命。そのあとすぐリハーサルに行かされたことが明かされた。
このあまりに急な任命の仕方に、「14日のコンセプト発表で『復興』がないことを批判されたから、急遽盛り込んだのではないか」という声が上がっているのだ。
もちろん、これはサプライズ演出や情報が事前に漏れるのを防止するためで、候補者の決定や保護者、学校への依頼はもっと以前になされていた可能性もある。
しかし、一方で、この子どもたちの動員の仕方があまりに不自然なのも事実。というのも、子どもたちの役割が開会式のクライマックスである聖火リレーだったため、その時間が24時近くになっていたからだ。
当然ながら、ネット上では、「こんな遅くに子どもを出させていいのか」「労働基準法や東京都青少年の健全な育成に関する条例に引っかかるのでは」という批判や指摘が相次いでいる。基準法には例外措置があるといっても、こんな公的な大会で深夜に子どもにパフォーマンスをさせるというのは常識的にありえない。
この深夜動員の事実が、「復興五輪のテーマを土壇場で入れ込むには聖火リレーしかなく、無理やり生で動員したのではないか」という疑惑に拍車をかけているのだ。
子どもたちの開会式聖火リレー動員が以前から決まっていたとしても、前述したような説明の欠如、急ごしらえぶりをみると、組織委が開会式でこの「復興」のことを歯牙にもかけていなかったのは間違いない。
実際、コンセプト文書が発表された14日、共同通信が前出の日刊スポーツのインタビューとは別に、開会式制作責任者・日置氏との一問一答を配信していたのだが、「演出に日本の歴史や文化、大会テーマである復興や感染症との戦いも入ってくるか」という質問に対して、日置氏は「最初から検討の中に入っているし、大会ビジョンにつながる要素は多い。当然そこにコロナも加わる」とは言ったが、「復興」という言葉は一切使わなかった。