宣言解除を批判した立憲・枝野に吉村が「コロナの政治利用」 政治利用しているのは吉村のほうだ
「コロナを政治利用している」って、これぞまさしく「お前が言うな」だろう。「大阪モデル」だの「コロナにうがい薬が効く」だの実効性も科学的根拠もない宣言ばかり連発し、コロナ対策も置き去りにしたままワイドショーをはじめとするメディアに出まくり、“やってる感”だけで「リーダーシップがある首長」という虚飾をメディアにつくらせ、その人気を利用してこのコロナ禍にまさかの「大阪都構想」住民投票を強行したのは、どこのどいつだ。これ以上の「コロナの政治利用」が、どこにあるというのか。
しかも、この発言は「おまゆう」なだけではなく、自分が責任を問われる局面で野党批判を持ち出すことで批判の矛先をすり替えようとするもので、吉村知事の十八番だ。
実際、大阪府は昨年12月に医療が逼迫して自前の医療体制で状況に対処することができず自衛隊の派遣を要請せざるを得ない状況に追い込まれたが、そのとき吉村知事はこんなツイートをおこなった。
〈本日、呉地方総監、自衛隊の皆さまと。国民の生命、財産を守って下さいまして、ありがとうございます。違憲のそしりを受けることがあってはならない。保守を自称する国会議員は、命がけで憲法9条の改正をやってくれ。維新は命がけで都構想をやって大将の首をとられた。その迫力が全く感じられない。〉(2020年12月7日)
このとき起こっていた批判は、自衛隊派遣という事態を引き起こした吉村知事や維新のコロナ対応に対してであり、自衛隊が大阪に人員を派遣することを違憲と批判する声など一切起きていなかった。にもかかわらず、吉村知事は「違憲のそしりを受けることがあってはならない」などと自衛隊批判をでっち上げたのだ。
そもそも、この「自衛隊が違憲扱いされている」というのは安倍晋三・前首相が9条改憲を正当化するために持ち出し始めた詐術だが、吉村知事の場合は改憲扇動ですらない。自分の失政を持ち出されたら反論できないために、ありもしない自衛隊違憲論をでっち上げて、目を逸らさせようとしたのである。その挙げ句、「命がけで憲法9条の改正をやってくれ」「維新は命がけで都構想をやって大将の首をとられた」って、命をかけさせられたのは吉村知事や松井一郎市長ではなく、コロナ感染拡大下で住民投票を強いられた大阪府民ではないか。その上、否決という住民投票の結果を蔑ろにし、大阪市の権限と財源を府に差し出す「広域一元化」条例を可決・成立させたのである。
しかし、この男は、救えたかもしれない命を救えなかったことの責任を何ひとつ感じていない。今回もまた、自己保身のために自身の責任は棚に上げ、詭弁を弄して批判の矛先を野党に向けさせようと「政治利用」などと言い出しているのだ。
大阪府民は、この無責任男の見え透いた手口に踊らされている場合ではない。第4波を引き起こしたことの責任追及がなされなければ、命をかけさせられるのはまたも大阪府民なのである。
(編集部)
最終更新:2021.03.30 09:16