自民党が「国会軽視」「信義に反する」…国会を開かず憲法違反を繰り返してきた政党が何を言っているのか
「国会軽視」「信義に反する」って、一体どの口が言っているのか、という話だ。そもそも、未曾有の新型コロナという感染症に脅かされるなか、昨年6月、政権与党である自民党は国権の最高機関であり唯一の立法機関である国会を閉会させ、感染が再拡大した7月には野党4党が憲法53条に基づく臨時国会召集を要求したものの、自民党はそれを拒絶した。さらに、これからようやくはじまる特措法改正の審議にしても、昨年12月に野党4党が特措法改正案を提出して国会会期延長を求めたが、それを蹴ったのは自民党などの与党と日本維新の会だ。「信義」どころか憲法に反し、「国会軽視」を繰り返してきたのは、自民党ではないか。
いや、その問題を指摘しないで蓮舫議員を攻撃しているネット民やワイドショーも同罪だ。「桜を見る会」問題で少なくとも118回も国会で虚偽答弁をおこなった安倍晋三前首相は、国会への提出を求められている前夜祭に絡んだ明細書や領収書をいまだに拒否。「除名に値する」というのなら、それは安倍前首相にほかならないが、それだけではなく、「桜を見る会」の招待者名簿も、新型コロナの政府専門家会議や連絡会議の議事録も出さず、さらに森友問題では公文書の改ざんまで働いたように、自民党の政権下では国民に公開されるべき文書が隠蔽・破棄されるという事態が何度も起こってきた。
逆に、蓮舫議員がおこなった演説原稿の公開は国民の知る権利という観点からはむしろ資するものであり、なんなら全文公開してもよかったくらいだ。だが、いま蓮舫議員を叩いているネット民やワイドショーは、国民の知る権利の妨害と国会軽視という重大な問題を繰り返している政権与党を批判もせず、「ルール違反」「野党は与党批判ばかり」だのと喚いているのである。
明文化されたルールもないのに「不適切だった」などと陳謝した立憲もどうかしているが、政権の国会軽視や不祥事を徹底批判もせず、「野党は与党の批判ばかり」と言いたいだけでこの程度の話題を「大問題」であるかのように非難するネット民やワイドショーのレベルの低さ……。うんざりするほかないだろう。
(編集部)
最終更新:2021.01.20 10:01