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蓮舫の菅首相演説事前公開はルール違反じゃない! 政府の情報隠蔽をスルーし「知る権利」に資する情報公開を攻撃するテレビとネット

マスコミにも事前に配られ全文が先に報道されたことも…事前公開を禁じるルールはない

 おいおい、「機密漏洩」「情報流出」「除名に値する」って、「ふるさと納税で地方活性化」だの「世界の観光大国を目指す」だの「コロナに打ち勝った証として東京五輪開催」だのと、これまでさんざん繰り返して耳にタコができるレベルでしかなかったあの演説のどこに「機密情報」があったというのか。

 しかも、施政方針演説や所信表明演説の原稿は事前に、議員だけではなく内閣記者会加盟社である大手メディアにも配布されており、取り扱いについて何らかの制約が明文化されているわけではない。

 実際、これまでも演説開始直後、まだ話してもいない内容をマスコミ各社が報道するということが頻繁に起きている。昨年10月26日に開会した臨時国会での菅首相による所信表明演説では、まだ演説している最中に共同通信の配信記事として東京新聞がウェブサイトで全文を公開したこともあった。このとき、内閣府総務官室は演説原稿の情報解禁について、「テレビとラジオ、インターネットの解禁は基本的には演説の開始時刻と同時」(BuzzFeedNews2020年10月26日付)と説明し、「信頼関係のなかでこれまでも行われているもの」と述べていた。

 今回も、加藤勝信官房長官が定例会見で蓮舫のツイートについてコメントしたが、「事前に公開することは想定していない」としか述べなかった。

 ようするに、記者クラブという村社会のなかで情報解禁のタイミングが暗黙のルール化しているだけで、やろうと思えば演説前に内容を報じることも可能なものなのだ。これのどこが「機密情報」だというのか。

 そもそも国会でおこなわれるあらゆる演説・審議は、国民に広く公開される必要があるものだ。しかも、菅首相は前述したように読み間違いを連発したため意味が通じない場面も多々あったし、安倍晋三前首相は演説のなかで堂々と嘘を垂れ流す常習犯だった。国民が言い間違いを確認したりファクトチェックをおこなうためにも、事前公開する必要があるほどだろう。それを、公開が大前提のものをたかだか4時間前に、ものの数行を公開しただけで、どうしてここまで叩かれる必要があるのか。

 しかし、呆れたことに、ネット上だけではなくマスコミまでこの話題に飛びついている。たとえば、19日放送の『バイキングMORE』(フジテレビ)でもこの話題をわざわざ取り上げ、MCの坂上忍は「この意地悪はないわ」「野党も与党批判ばかりではダメなときなのに」と言い、ブラックマヨネーズの小杉竜一は演説原稿を漫才の台本に置き換え「『果たしてこれでウケてくれるんでしょうか』と言っているようなものでしょう?」「意地悪が過ぎた」と批判した。

 さらにあ然としたのは、自民党の反応だ。今回の騒動に対し、なんと自民党側は「国会軽視で見過ごすことはできない」「信義に反する」などと言い出しているのである。

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