17日に休みをとるためのフリ、ついでにトンデモ会見まで「疲労」のせいに
いくら御用新聞とはいえ、よくもまあ、こんな説得力のない露骨な擁護記事が書けるものだと感心するが、この読売の「言い間違いは疲れやストレスのせい」報道は、やはり菅首相の周辺が仕掛けたものらしい。ベテラン政治評論家が苦笑しながら、その裏を分析する。
「菅首相は17日に休みを取っているが、もともとは休みを取る予防線として、首相周辺が御用の読売新聞に“ずっと休んでおらず、疲労が溜まっている”ということを書かせたんだよ。で、ついでにこの間の会見やテレビ出演でのひどい内容、それから国民から批判を受けた会食まで全部、『疲労』や『ストレス』のせいにして、国民の同情を買おうとしたということだろう。前首相の安倍さんも同じようなことをやっていて、それが成功してるから、真似したんだろう」
そういえば、安倍首相も昨年、コロナ対応が後手に回って、アベノマスクや「うちで踊ろう」動画などに国民から厳しい批判が上がった少しあとの6月はじめ、御用マスコミや側近議員が『安倍首相は140日休みをとっていない』『疲労がたまっている』とアピール。その直後の6月21日に安倍首相が休みを取るということがあった。
しかも、安倍首相はコロナの状況や支持率が好転しないとみるや、8月、最側近の甘利明議員がテレビで「コロナ対応で疲労困憊している」「休ませてあげてほしい」などと発言。その流れでそのまま「持病が悪化」したとして政権を放り出してしまった。
その後の安倍首相の様子をみれば、あれが“仮病”であった可能性は非常に高いが、しかし、国民は安倍首相の無責任な姿勢に怒るどころか同情。辞任表明後の安倍内閣の支持率は爆上がりし50%を超える結果になった。
ようするに、菅首相とその周辺は安倍首相がコロナ対応の失敗を「疲労説」「健康不安説」で糊塗したのをそのまま再現しようとしているのではないか。
もちろん、首相に就任したばかりの菅氏がこのまま政権を投げ出すというのはありえないし(本当はむしろ代わってほしいくらいだが)、いまのところ、菅首相の疲労を伝える記事には、「GoToと後手対応で感染を拡大しておいてなにを言い訳してるのか」「疲弊し、ストレスを抱えているの国民のほうだ」といった厳しい批判の声も上がっている。