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竹内結子の自殺を受け加藤官房長官が「それぞれが自殺のない社会を」と“自助”任せ発言 コロナで女性の自殺者急増も対策なし

コロナで自殺者急増 女性の自殺者の増加数は男性の3倍に ホームレス化も進む

 たしかに、悩みをひとりで抱え込まず誰かに相談できる環境づくりは重要なことだ。だが、とりわけ多くの人が不安を抱いているこのコロナ禍にあって、政府が第一に発信すべきは国による緊急支援、そして体制強化といった具体策についてだろう。しかし、加藤官房長官は、つい先日まで厚労大臣だったというのに「それぞれが自殺のない社会をつくって」と国民に丸投げ。あとはテレビのワイドショーと同じように「相談窓口」と繰り返すだけだったのだ。

 そもそも、自殺の問題は著名人にとどまるものではない。実際、自殺者数は大幅に増えており、今年8月の自殺した人は全国で1849人と昨年同月から246人も増加。なかでも注目すべきは、女性の自殺者が増えていること。8月の自殺した人の数は男性が60人増だったが、女性は186人も増えているのである。

 この背景にあると見られているのが、ひとつは雇用の問題だ。安倍政権下で非正規雇用が増加したが、そのうち女性が占める割合は約7割。「女性の活躍」と謳いながら、実際には低賃金で不安定な雇用に晒してきたわけだが、その結果、新型コロナによって女性は大きな打撃を受けている。現に、今年7月には非正規が前年の同じ月より131万人減となったが、その6割超が女性だ。

 そして、困窮に追い込まれた女性のホームレス化も指摘されている。貧困問題に取り組む作家の雨宮処凛氏はコロナの影響により失業した女性がホームレス状態となっている事例を取り上げ、〈失業が即、ホームレス化につながる女性がこれほど存在するというのは、貧困問題に16年かかわっていて初めての経験だ〉と述べている(ハフポスト9月24日付)。

 問題は単身女性だけではない。独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の8月調査では、女性の収入が1割以上減少した家庭においては〈5世帯に1世帯が食費の切詰めを行っており、1割弱が公共料金等の滞納をしている〉という結果も出ている。また、コロナ禍では配偶者によるドメスティックバイオレンスも問題化しており、DV相談件数が増えている。DVにはいたらなくても、コロナや自粛生活の影響で増大した家事・育児の過大な負担が女性だけにのしかかっているというケースも少なくないだろう。

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