BBCインタビューで伊藤詩織さんを「女として落ち度」と攻撃
どれもひどい発言ばかりだが、なかでも性暴力被害をめぐって「女性はいくらでも嘘をつけますから」と発言した今回に通じていると思われるのが、安倍晋三・前首相の御用記者である山口敬之氏から性暴力を受けたジャーナリスト・伊藤詩織さんに対する攻撃だろう。
伊藤さんといえば、世界的な「#MeToo」運動の流れのなかで海外メディアの取材にも応じ、抑圧や沈黙を強いられがちな性暴力被害について声をあげつづけ、先日もアメリカ「TIME」誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたばかり。
しかし、日本では伊藤さんをめぐって下劣なバッシングが広がり、性暴力や女性蔑視をめぐる日本社会の後進性があらためて浮き彫りになった。杉田議員はその急先鋒となってきたのである。
イギリスのBBCが2018年6月28日に、伊藤さんが受けた性暴力事件を扱ったドキュメンタリー「Japan's Secret Shame(日本の隠された恥)」を放送。そのなかで、伊藤さんに対して行われた安倍応援団やネトウヨの誹謗中傷をクローズアップしたが、杉田議員は同番組のインタビューに応じ、「彼女の場合はあきらかに、女としても落ち度がありますよね。男性の前でそれだけ飲んで、記憶をなくしてっていうようなかたちで」と伊藤さんを批判した。
さらに杉田議員は、伊藤さんの告白について「日本の司法に対する侮辱」「日本の警察、世界で一番優秀」などとしながら、このように主張している。
「伊藤詩織さんが記者会見を行なって、ああいう嘘の主張をしたがためにですね、山口さんや山口さんの家族には、死ねとかいうような誹謗中傷のメールとか電話とかが殺到したわけですよ。だから私はこういうのは男性側のほうが本当にひどい被害を被っているんじゃないかなというふうに思っています」