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久米宏がTBSラジオの最終回で何も語らなかったのはなぜか? 圧力説がささやかれる中、その過激発言を振り返る

五輪組織委の抗議にも敢然と反論「アスリートファーストは嘘八百」

 まず、久米が再三にわたって憤っていたのが、安倍首相や招致委員会が東京招致の際に「復興五輪」という大義名分を掲げたことだ。

「東京にオリンピックを誘致することによってね、『東北の復興の役に立ちたい』、あるいは『東日本大震災の被災者の方にオリンピックを呼ぶことによって勇気をあげたい』なんて言い方をしているんですよ。そんなもんで勇気があげられるのかって、東京にオリンピックを呼ぶことで被災者の方に。その言い方がすごく目立っていて、なんとも気に食わないんですよね」(2013年9月7日)

「福島の復興のためだって言ってますけど、福島の人は喜んでいるのか、東京での五輪を。福島でやるんじゃないんですよ。福島から聖火ランナーがスタートするだけ、福島の人は何も喜んじゃいない。そのことを僕は申し上げている」
(2018年8月4日)

 また、酷暑問題についても久米はかなり早くから指摘していた。酷暑問題はのちにIOCから指摘をされ、マラソン会場が札幌に移動することになるが、五輪万歳という空気が充満していたこの時点で、酷暑問題を批判するメディアなどほぼ皆無だった。しかし、久米は数年前からマラソンを例に挙げ、酷暑が予想されるなかで五輪を開くのはアスリートの健康を無視していると指摘していた。

 しかも、圧巻だったのは、「酷暑の東京でやるのは間違いだ」という久米に対し、五輪組織委から抗議文が送られたときの対応だ。

 久米は2017年8月12日の放送で、「公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会広報部広報局から手紙が届いた」と説明し、その内容を読み上げたあと、こうつづけたのだ。

「つまり日本にオリンピックを招致した人たちは、夏の開催だっていうことを承知して引き受けたんですよ。つまり、東京オリンピックに世界中から集まるアスリートたちのコンディションのことを考えたんじゃないんです。オリンピックを招致することがいかに大切かを考えたんです。つまり、『アスリートファースト』というのは嘘八百なんですよ。オリンピックを招致することが目的だっていうことをもう言っているんです、ここで」

 さらに「日本にオリンピックを招致した人たちは、スポーツを愛していない。オリンピックだけを愛しているんだ。だからバカなんだ」と吠え、「IOCの理事会はなぜ夏の開催じゃなきゃだめだと言っているかというと、これはアメリカの三大ネットワークが出す金(の問題)です」「ほとんどは金なんですよ。オリンピックもゼネコンにいく金なんです。基本的にお金の巣窟なんですよ、オリンピックっていうのはね」とオリンピック自体が構造的に金勘定が優先されていることを指摘。さらに、こんな疑念を挟んだのだ。

「8月9日が閉会式ということは、僕は勘ぐるほうですから、8月9日って長崎に原爆が落ちた日なんですよ。当然、広島に落ちた8月6日も、3年後はオリンピックの真っ最中なんです。広島の原爆慰霊の日も、長崎の原爆慰霊の日も、東京でオリンピックのバカ騒ぎをしているんです、3年後は。そうすると、東京にオリンピックを夏に招致した人たちは、原爆が落ちた日、長崎に落ちた日も広島に落ちた日も、やがてはなかったことにしたい。そのために真夏に東京でオリンピックをやるんじゃないかと、僕はゲスの勘ぐりをしている。これは勘ぐりしすぎでしょうかね?」

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