河井案里氏の応援に入った安倍首相(河井あんりtwitterより)
河井克行前法相と妻の案里参院議員が、16日付で自民党に離党届を提出した。
周知のとおり、河井夫妻は、2019年の案里議員の参院選挙をめぐり、公選法違反(買収)の疑いで、捜査が進んでおり、近く河井前法相・案里議員が立件される見通しとなっている。
2人は離党について「自民党にこれ以上迷惑をかけたくない」などと説明しているといい、今回の離党届が立件を見据えてものであることは明白だ。しかし、離党したからといって、河井夫妻の公職選挙法違反と安倍自民党が無関係ということにはならない。
というより、この案里議員の参院選は、党ぐるみ、安倍自民党が主導したものだ。安倍首相や菅官房長官が応援演説に駆けつけたというレベルではない。そもそも案里氏擁立は安倍首相の意向によるもので、党本部から異例の1億5千万円もの選挙資金がつぎ込まれ、さらに案里氏の選対には安倍事務所の秘書が複数送り込まれている。公職選挙法違反にも関与していたあるいは知っていた可能性があるだろう。
実際、先月末には検察が自民党本部関係者に任意で事情聴取していたことも判明している。この聴取は、安倍首相の関与についても踏み込もうとしたものではないかといわれている。
「検察は自民党の“金庫番”といわれるM事務総長の周辺を聴取したといわれています。M事務総長は20年以上前から自民党の事務方トップを務め、それこそ自民党の裏の金を動かしてきた人物。しかも、第二次安倍政権以降、安倍首相はM氏を重用しており、近年は安倍首相から直接、指示を受けて金を動かすこともしばしばあるといわれていた。つまり、検察は、河井陣営への1億5千万円提供について、直接的に安倍首相がM氏に指示した可能性を調べているのではないか」(司法担当記者)
本サイトで、案里議員の秘書が逮捕された際に、安倍首相の関与・責任について指摘した今年3月4日の記事を以下に再録するのでご一読いただきたい。
検察がどこまで迫れるか捜査の行方にはひき続き注視したいが、安倍首相の関与については検察だけでなくメディアでも追及していくことが必要だろう。
(編集部)