文春オンラインが偽装離婚問題を質問した直後に松浦会長はCEO辞任
周知のように、見城氏は松浦氏とは菅偉義官房長官を交えて会食することもあるなど、“盟友”といわれる関係。加えてトラブルと同時期、2人の対談本『危険な二人』(2017年4月刊行、幻冬舎)の企画も進行していた。おそらく見城氏は、松浦氏に泣きつかれたため、A子さんの原稿の出来が悪いせいにして、出版を取りやめてしまったのではないか。
しかも、ひどいのがこのあとだ。なんと、箕輪氏のほうからA子さんに依頼して、約2カ月で密着取材をさせ約10万字の原稿まで書き上げさせたのに、本にならなかったという理由でA子さんに対して原稿料も必要経費も一切払うことを拒否したのだという。
つまり、A子さんはこうした松浦氏や幻冬舎の裏切り、身勝手な姿勢に怒り、「文春オンライン」で告発を開始したのだ。
あまり話題になっていないが、4月にはまず、その第一弾として、松浦氏の薬物使用について告発していた。
A子さんは幻冬舎の本の企画が出る前、2016年の秋頃から松浦氏と個人的な交友があり、週末、エイベックス所有のクラブで一緒に薬物を吸っていたことを告白。さらに、幻冬舎の本の取材で、ハワイの別荘に2週間ほど滞在した際も松浦氏と薬物を吸っていたことを、証言したのである。
しかも、それを示唆するような松浦氏との会話の音声データやLINE、画像などを公開している。
そして、続いて5月になってA子さんが「文春オンライン」で告発したのが、前述した相続税逃れのための偽装離婚と、箕輪氏のセクハラだった。
とくに、偽装離婚問題は決定的だったと言っていい。薬物疑惑についても〈それはもうお前、はっぱが全部なくなってからにしよう〉などといった松浦氏の音声テープが公開されたが、使用を裏付ける決定的な物証とまでは言えなかった。
しかし、偽装離婚問題では、松浦氏の〈俺ちょっと気になるのは、慰謝料のところで、あれ国税に引っ掛かるか引っ掛からないかなっていうのが。要は税逃れなんだよ。そういう突っ込み方される可能性あるな。かっこつけて書いてるけど「結局お前税金払いたくないからそうしたんだろ」って言われるとそれも半分あるんだよ〉といった、相続税逃れであることを自ら認める音声がばっちり録音されていた。
実際、松浦氏は5月14日にエイベックスのCEO退任を発表したが、実はその数時間前に「文春オンライン」がこの偽装離婚問題に関する質問状をエイベックスに送っていた。
「松浦氏はクリエイティブに専念とかなんとか理由をつけていましたが、明らかに文春の報道が原因でしょう。A子さんが提供した音声を聞くと、贈与税、相続税逃れの偽装離婚であることを認めていますから、国税が動く可能性は非常に高い。仮に国税が動かなくても、エイベックスは東証一部上場の会社ですからね。株主総会で追及を受けるのは免れない。それで慌てて、CEOを退任したんでしょう」(週刊誌記者)