小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

岡村隆史「コロナでかわいい人が風俗嬢」の性的搾取歓迎発言でニッポン放送が謝罪も本人スルー! それでも岡村を批判しないテレビ

松本人志はじめ男性お笑い芸人に共通する、女性をモノ扱いする差別体質

 今回の「コロナが明けたらかわいい人が風俗嬢やります」発言をめぐっては、岡村個人の差別体質とは別に、もうひとつ大きな問題がある。

 それが表われたのが、『PRODUCE 101 JAPAN』でのセクハラのときとの、批判のスピードの差だ。

 『PRODUCE 101 JAPAN』のときは、発言を問題視した公開収録の観覧者たちが即座に次々とSNSにその内容を投稿し問題発言が発覚した。

 しかし、今回の岡村「コロナが明けたらかわいい人が風俗嬢やります」発言が批判を浴びたのは「Smart FLASH」が26日に岡村の発言を報じるまで、SNSで問題視されていなかった。事実、放送当時は、リスナーからこの発言を批判する声はほとんど上がっていなかった。

 むしろ〈岡村さんのコロナ明け風俗論、割とマトモで草〉〈岡村さんの予想、きっと当たりますよ。素晴らしい人材の流入、きっとあります。〉〈コロナ明けの三か月は重要φ(..)メモメモ〉〈岡村チーム長率いる風俗野郎Aチームに一生ついていきますwww〉などと賛同する声のほうが多いくらいだった。

 つまり、岡村の女性蔑視の背景には、こうした女性蔑視や性的搾取に何の違和感もない芸人やお笑いファンの価値観が大きく関係しているのではないか。

 実際、お笑い界では、岡村だけでなく多くのお笑い芸人たちが日常的に女性蔑視発言をし、今回の岡村と違ってたいして問題にもならないまま放置されている。それどころか、そのような発言を「笑い」「芸」などと称してはばからない状態だ。

 その筆頭が松本人志だ。松本は、今回のコロナ禍に伴う休業補償をめぐっても、「水商売のホステスさんが仕事休んだからといって、普段のホステスさんがもらっている給料を、われわれの税金で、俺はごめん、払いたくはないわ」(フジテレビ『ワイドナショー』2020年4月5日放送)と発言し改めてそのミソジニーぶりを露呈していたが、松本の女性蔑視発言は本サイトが記事にしてきただけでも枚挙にいとまがない。

 しかも、そうした発言が批判を浴びても、反省することはない。「難しいところでね。素人がこういうセクハラを操っちゃダメなんですよ。我々はセクハラ込みでトークするお仕事なので、それこそ『ダウンタウンなう』なんてさ、お酒飲みながら女性ゲストと喋るのに、しもネタいっさい禁止なんて成立しないんでね」(『ワイドナショー』2018年8月12日放送)などと開き直っている。

 松本がこういった女性蔑視的な価値観を流布することは、後輩の芸人たちにも影響を与えてきた。

 典型的なのが、2010年6月26日に放送された『人志松本のすべらない話』(フジテレビ)だろう。この放送では、千原ジュニアが木村祐一と一緒にある女性を部屋に連れ込んだ際、「私はそんなつもりで来たんじゃない」と言い、帰ろうとする女性の足元に、木村が冷凍室から取り出した鶏肉を投げつけた……という話を「すべらない話」として面白おかしく披露。被害者が訴え出ていれば、刑事事件になっていてもおかしくない問題だが、スタジオでは、松本をはじめ共演者の芸人もこのジュニアの話に大爆笑したのである。

 ジュニアや今回の岡村のように合コンや風俗をネタにした女性蔑視トークをする芸人は少なくない。昨年の闇営業に端を発する吉本問題を機に取り込まれるまで、岡村は松本とは距離をとってきたと言われるが、お笑いの女性蔑視体質・差別体質は共通しているということだろう。

 そして、こうした女性差別の共犯者となっているのがテレビだ。実際、ワイドショーは今回も岡村発言をまったく取り上げていない。いくらコロナ問題の渦中とはいえ、岡村の発言はコロナ問題とも関わっている非常に重大な発言だ。吉本に忖度しているのか、事の重大性を理解できていないのか知らないが、こうしたメディアの姿勢が、芸人たちの女性蔑視体質・差別体質を助長してきたのだ。

 しかし、テレビがいくらごまかしても、今回の岡村にスルーは許されない。自らの発言について、真摯な反省と説明をするべきだろう。

最終更新:2020.04.28 08:09

関連記事

編集部おすすめ

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する