48HDは刑事告発されていたのに財務省北海道財務局が調査をストップしていた
しかも、今回判明したように、昭恵夫人はたんに淡路社長を招待しただけではなく、後援会関係者と同様の“特別扱い”で厚遇していたのである。
総理大臣夫人が自分の私的なビジネスへの出資の見返りに、税金で開催された国の行事を悪用し、総理大臣もその悪用を認めた上で特別にもてなしていた……これはれっきとした背任行為ではないか。
いや、それだけではない。48HDをめぐっては、一昨年に刑事告発されていたにもかかわらず、告発を受けた財務省北海道財務局が調査をおこなっていなかったことを、3月30日にHTB北海道テレビがスクープしている。しかも、財務局の担当者は、調査に動こうとしたのに上司と金融庁から止められた、ということを被害者の代理人弁護士に告白していたというのだ。
ご存知のとおり、「桜を見る会」の問題では、「総理枠」で会長が招待されていた悪徳マルチ商法のジャパンライフに対する消費者庁の立入検査を政治圧力で取り止めていたという疑惑がある。この48HDについても同様で、安倍首相・昭恵氏をはじめとした政界官界人脈との関係への忖度が、行政処分を遅らせ、被害を拡大させたのではないか──。
新型コロナによって世間の関心もすっかり失われてしまった「桜を見る会」問題だが、この非常事態だからこそはっきりさせなければならない問題だ。総理大臣が事実を隠蔽したり、さらには国民を「自分の支持者か否か」で切り分けて特別扱いするということを繰り返しかねないという、根本的な信用にかかわる問題だからだ。
同時に、総理大臣の妻という権力に守られ、あまたの騒動を引き起こしてきたというのにまったく反省がない昭恵氏の傍若無人な振る舞いにも、国民は「またか」と呆れているだけではいけないだろう。
(編集部)
最終更新:2020.04.16 10:29