昭恵夫人が経営参画「ウズハウス」に出資していたマルチ商法「48HD」の淡路社長
まず、簡単におさらいすると、48HDは独自の仮想通貨「クローバーコイン」を「購入すれば1カ月半後には10 倍に値上がりする」「3カ月で128倍の価値になる」などと嘘を騙って販売をおこなったとして、2017年には特定商取引法違反(不実告知など)にあたるとして消費者庁から3カ月の一部取引停止が命じられた。
だが、この48HDの淡路社長をめぐっては、2016年の「桜を見る会」や安倍晋三後援会主催の「前夜祭」に出席し、安倍首相と昭恵氏との写真や「桜を見る会」で撮った菅義偉官房長官とのツーショット写真を勧誘に使用していたことが発覚。実際、「写真を見て信用し、コインを買った」という被害者の証言もある。
まさに安倍首相夫妻がマルチの広告塔になっていたわけだが、今回、「しんぶん赤旗 日曜版」編集部は新たに、複数の関係者から“友人”に限定して公開されている淡路氏のFacebookを確認。そして、そこで公開されていた2016年4月9日の投稿では、〈「桜を見る会 安倍晋三後援会」のプレートがついたバスや、バスに乗る淡路氏らの写真が掲載〉されていたというのだ。
さらに、同日に淡路氏は「安倍首相 御到着 感動」と記し、安倍首相が会場に車で到着した際に参加者が拍手で出迎えた場面の動画も投稿。ちなみに首相動静によると、この年、安倍首相は午前7時46分に会場に到着し、その後、後援会関係者らと記念撮影をおこなっている。一方、「桜を見る会」に入場するための受付時間は午前8時30分。つまり、淡路氏は「安倍晋三後援会」のツアー参加者らと同様に、正式な受付前に入園するという“特別扱い”を受けていた、というわけだ。
このように、安倍首相から地元後援会関係者並みの“厚遇”を受けていた淡路社長。そして、その背景にあるのが、昭恵氏と淡路社長との関係だ。
本サイトでも既報のとおり(https://lite-ra.com/2020/02/post-5278.html)、淡路社長は安倍首相の地元・下関市で昭恵氏が経営に参加する複合型ゲストハウス「uzuhouse」(ウズハウス)に出資していた。ウズハウスは、2016年1〜4月にかけてクラウドファンディングで開業支援募の出資を公募。昭恵氏がその呼びかけをおこなっていたのだが、そこに淡路社長が出資していたのだ。
淡路社長は、その見返りとして同年8月のオープニングパーティにも参加。ここでも安倍首相は淡路社長とツーショット写真を撮っており、これも勧誘に使われていたことがわかっている。
淡路社長がウズハウスに資金提供したのは2016年1〜4月、淡路社長が招待された「桜を見る会」が開催されたのも2016年4月。これはどう見ても、昭恵夫人がウズハウス資金提供の見返りに、「桜を見る会」に招待するよう、安倍首相に働きかけたとしか思えないのだ。