百田尚樹は「生活保護受給者、年金生活者はコロナで収入減らないから給付するな」
生活保護受給者排除も同様だ。百田尚樹氏は〈今回のコロナウイルスで収入が減った国民のために、国民全員にお金を給付する話が出ている。それは賛成だが、生活保護の人に給付金を出すのは反対! 彼らは今回の騒動で1円も収入が減ってないのだから〉(3月31日)とTwitterに投稿。吉村洋文・大阪府知事も〈僕ら政治家や全国の公務員、生活保護受給者、年金生活者は、コロナで収入は減らない。ここにお金を配るべきじゃない〉(4月1日)とツイートした。
ようするに「新型コロナで収入が減った人以外、現金給付する必要はない」というロジックだが、そこに「生活保護受給者」をはめ込むのはあらゆる意味で間違っている。
言うまでもなく、新型コロナの影響は「得られるはずだった収入が減少した人」のみではない。医療関係に充てる生活費の割合を考えれば、もとより生活に困窮していた人ほど負担が増すのは、少し考えれば誰でもわかる話だ。また、生活保護受給者など家計が逼迫している人たちは、消毒など感染予防に充てるお金を十分に確保できないことは容易に想像できる。さらに言えば、生活保護受給者は入院すると給付額が下がる(医療費は支給される)ため、新型コロナ感染を疑っても検査を避けてしまうケースだって考えられなくはない。それはすなわち、全体の感染拡大のリスク増加にもつながってくる。
つまり、「生活保護受給者は現金給付の対象外にしろ」というのは、まさに貧困層や弱者の“切り捨て”であるのみならず、感染拡大防止の観点からも最悪と断じざるを得ないのだ。