赤木さんの妻が番組に生LINEで訴え「同僚だったのに財務省の夫の扱い方がひどい」
改ざんの最重要証拠である「極秘ファイル」は、いまも近畿財務局に大阪地検に存在するはず──。もし存在するのならば、国民にそれをすみやかに明らかにし、その上で財務省が公表した調査報告書と食い違いはないのか、早急に調査をおこなうべきであることは言うまでもない。
だが、ここで疑義を呈した人物がいる。番組を観ていた赤木さんの妻だ。相澤氏は「問題は、一旦返ってきたものを、ちゃんと保管しているのかどうか。じつは番組を観ながらですね、奥さんがLINEを送ってきている」と明かし、相澤氏はその内容をこう伝えた。
「(スマートフォンを見ながら)『検察から返ってきたファイルを破棄したのではないのか』というふうなことを言っております。想像ですけどね。これは前段があるんですよ。『元は同僚だったのに財務省の夫の扱い方がひどいと思います』と。『検察から返ってきたファイルも破棄したのではないか』と、そういうふうに言っている」
赤木さんの妻によるこの推測は、誰しもが頷くものではないだろうか。そもそも、改ざんの全容が記された重要証拠が存在することを、財務省は調査報告書でも触れることはなく、一切公表してこなかった。調査報告書の内容と齟齬がないのであれば、本来ならば客観的証拠として「極秘ファイル」の記載に言及していたはずだ。だが、それをしていないということは、「極秘ファイル」の内容は財務省の嘘を暴くものになっているのではないのか。
となれば、財務省はどうするだろう。公文書を改ざんした挙げ句、今度は国民に明らかにできない改ざんの全容をまとめた「極秘ファイル」を闇に葬った──。そう考えるのは自然なことだ。
赤木さんは遺書と手記のなかで「すべて、佐川理財局長の指示です」と訴えていた。当然、この「極秘ファイル」には、財務省からの指示がどんなものであったか、そして佐川氏の動きも細かく記されているだろう。しかし、そんな重要証拠の提出を受けながらも、大阪地検特捜部は佐川氏をはじめとして財務省と近畿財務局の関係者を全員不起訴にした。ようするに、この「極秘ファイル」の中身が明らかになれば、財務省の嘘だけではなく、捜査のおかしさも浮き彫りになるはずなのだ。