安倍首相は文書回答拒否でわざと審議ストップ状況をつくり出し野党批判に世論を誘導
民間企業を巻き込み、相手が言ってもいないことを勝手につくり上げて、平然と虚偽答弁する──。これまでも国会で山のように嘘をついてきた安倍首相だが、ここまであからさまな嘘を堂々とつくとは、もはや仰天するほかない。
しかし、これが安倍首相なのだ。安倍首相はこれまで、疑惑が持ち上がるたび、権力によってあらゆる人たちをこうやって黙らせてきた。おそらく今回も、自分の答弁を受けて、ANAインターコンチも同調すると高をくくっていたのだろう。実際、安倍首相と関係が深いニューオータニは早々に安倍首相と口裏を合わせ、メディアの取材にも「一概には言えない」などと述べてきた。
ところが、ANAインターコンチはニューオータニとは違い、外資系であるため、政権に忖度するよりコンプライアンスを重視、事実をきちんと回答したのだ。
そして、その結果、安倍首相の嘘が完全にバレてしまった。いや、バレたのは「嘘」だけではない。「前夜祭」が政治資金規正法や公選法違反であることもこれではっきりしたといえるだろう。
ところが、安倍首相や自民党は相変わらず、圧力と世論誘導でこれを封じ込めようとしているらしい。
安倍首相は本日、正式な取材要請に応じず、官邸を出る際、記者団に質問されても「すでに国会で答弁した通りだ」の一点ばり。菅義偉官房長官も国会で「(安倍事務所のメモと安倍首相の昨日の答弁は)一致している」などと強弁して、嘘を頑なに認めなかった。
また、自民党幹部が「もうANAホテルを使うのはやめよう」などと恫喝したことを先述したが、その後、自民党・森山裕国対委員長が「ホテルのしかるべき人が大変迷惑をかけているということで、自民党本部に来たと聞いている」とあたかもホテル側が訂正・謝罪したかのような印象操作をおこなった。
さらに、安倍応援団や御用メディアは、野党が一時審議拒否(その後、再開)していたことを受けて、「またも野党がサボり」「政府が新型コロナ対応の真っ只中でこれをやる無責任野党は屑中の屑」「また国会を空転させている」などと野党批判にすり替えている。
しかし、今回も国会を空転させた張本人は、自分の嘘を誤魔化すために文書の提出を拒否した安倍首相なのだ。実際、安倍首相は昨日の衆院予算委員会で「信じていただけないということになれば、そもそも予算委員会(の質疑)が成立しない」などと言って、野党を審議拒否させようと煽るような発言までしていた。
ようするに、安倍首相と自民党は文書回答について野党と話し合うことなく、予算委員会の審議を強行。野党が審議拒否せざるを得ない状況をつくり出し、いつものように「野党が国会をサボった」「新型コロナで大変なときにそんなことをやっている場合か」と世論を誘導しようとしていたのである。
もっとも、こうした圧力も世論誘導も今回は通用しないだろう。さすがの国民も、新型コロナへの酷すぎる対応を見て、元凶が安倍政権であることに気づき始めたからだ。嘘とごまかし、圧力で、数々の失政と不正を封じ込めてきた安倍首相だが、いよいよ命脈が尽きる時期が来たのかもしれない。
(編集部)
最終更新:2020.02.18 10:59