衆議院インターネット審議中継(2月17日)より
本サイトはこれまで安倍首相の数々の嘘を指摘し、「大嘘つき」と断じていたが、ここまでわかりやすいかたちでその嘘と捏造が晒されたのははじめてではないだろうか。「桜を見る会」前夜祭をめぐり、安倍首相が衆院予算委員会で「私の事務所がホテルに電話で確認した」として反論した内容が、そのホテルであるANAインターコンチネンタルホテル東京(旧・東京全日空ホテル)に“そんなことを言った事実はない“と全面否定されてしまったのだ。
きょうの衆院予算委員会には安倍首相は出席していなかったが、首相官邸や自民党も大慌てで、首相側近は「なんで(ANAホテルは)回答を出した」と困惑を隠さず、自民党幹部は「もうANAホテルを使うのはやめる」と怒り狂っているという(朝日新聞デジタル)。
首相の嘘に口裏を合わせなかっただけで、そんなホテルは使わないなどと恫喝するのだから自民党の倫理観のなさには呆れるが、連中が慌てるのもわからなくはない。今後の国会で、この安倍首相の嘘が徹底追及されるのは必至。今回の嘘発覚は、これまで数々の不正を嘘でごまかし続けてきた安倍首相にとどめを刺す結果になりかねない。
あらためて経緯を簡単に振り返ろう。安倍首相の後援会が主催する「桜を見る会」前夜祭は、これまで年によってホテルニューオータニとANAインターコンチのいずれかで開かれてきたが、安倍首相はどちらのホテルでも「主催は安倍事務所だが契約は一人ひとりの参加者とホテル」だとして、「事務所が参加者から集めた会費はその場でホテルに渡し、ホテルが領収書を発行した」「領収書はホテルの担当者が金額等を手書きし、宛名は空欄であった」「明細書は受け取っていない」という常識はずれの答弁を繰り返してきた。
だが、昨日17日の衆院予算委員会で、立憲民主党の辻元清美衆院議員がANAインターコンチから得た文書回答を、安倍首相に突きつけた。それはこれまで、主催者に見積書や請求明細書を渡さないケースや、宛名が空欄の領収証を発行するケースの存在を完全否定し、主催者が政治家や政治家関連の団体の場合でも対応を変えたことがない、と明言するものだった。
しかし、この決定的な回答に対して、安倍首相は自分の事務所でも調べるとし、その後、衆院予算委でANAインターコンチから得たという回答を、このように答弁した。
「私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていない、とのことであります」
「私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整をおこなったのみであり、明細書などの発行は受けていない、とのことでした。また、領収書については、一般的にあて名は『上様』として発行する場合があり、夕食会でも『上様』としていた可能性はある、とのことでありました」
だが、野党側が口頭での回答ではなく文書で回答を得てほしいと要望すると、安倍首相は「私がここで話しているのが全日空側とのやりとりの真実だ」とむきになり、このように拒否した。
「(確認の)中身については、中身についてはこの国会においてですね、私が全日空からこういう話だったということを紹介させていただきますよ、ということを言って、全日空側が述べるというのは、これ、軽いことなんですか? 軽いわけがないじゃないですか。私の口を通じて、総理大臣としてこういうことを訊いたということを述べるわけでございます」
総理大臣が言っているんだと大見得を切った安倍首相だが、しかし、これが真っ赤な嘘だったことが、当のANAインターコンチによって明らかにされたのだ。