4位●恵俊彰(+八代英輝)
“メシ友”がピンチの菅官房長官を大ヨイショ! 番組の流れを無視して「安定感」「安心感」と連呼する異常
MCを務める『ひるおび!』(TBS)では、田崎史郎や八代英輝弁護士と一緒になって政権擁護を誘導することで知られる恵俊彰。権力に近い元官僚や学者のコメンテーターにはとことん媚びへつらう一方、気象予報士の森(朗)さんや中継先の記者は見下すようにいじり倒す。田崎史郎や八代英輝弁護士の陰に隠れ、例年、圏外か低ランクに甘んじていたが、今回はその露骨さから堂々の4位に飛躍した。
とりわけ異常だったのが、12月6日放送での無茶苦茶な“菅官房長官擁護”だ。側近の菅原一秀経産相らのスキャンダル辞任、「桜を見る会」をめぐる対応で、影響力低下が指摘される菅官房長官を特集したのだが、そのなかで恵が唐突に「その菅官房長官、なんと今日お誕生日でした!」と言い出すというありえない展開に。恵はスタジオで失笑が漏れるのもお構いなしに、記者会見で誕生日を祝われた菅官房長官が返した言葉まで紹介。さらに、菅官房長官が会見で窮地に立たされ、官僚のメモに頼るシーンがVTRで流れた後も、「非常に慎重な菅官房長官です」「ちゃんと資料見て言葉を選んでらっしゃる」と無理やりフォロー。特集の間、絶えず「安定感」「安心感」「鉄壁」と視聴者に擦り込むように連呼し、「縁の下の力持ち、支える方っていうイメージですけど、表に出てこられた1年だった」「ポスト安倍のなかに必ず名前があがる人になってきた」などと猛烈にヨイショしたのである。
かように強引に“菅PR番組”にしてしまった恵の進行は、まるで誰かから「菅官房長官は安心感があると宣伝せよ」と指令を受けているとしか思えないほどだった。実際、恵は菅官房長官と定期的に会食している関係といわれている。その意味では、恵は「安倍応援団」というよりが「菅応援団」と呼ぶほうが正確なのかもしれない。
『ひるおび!』といえば、なりふり構わない官邸擁護と野党バッシング、「(韓国は東京五輪に)嫌だったら別に来なくても結構」などとネトウヨばりの嫌韓コメントを連発する八代弁護士が有名だが、半ば“御用レジェンド”に片足をつっこんでいる八代弁護士とは対照的に、恵は表面上はあくまで「中立な司会」を装っていたが……。そういえば、恵は五輪の聖火ランナーのひとりにも選出されている。まさしく“提灯持ち”とはこの司会者のためにあるような言葉だ。
3位●田崎史郎
エクストリーム擁護連発も、途中から“ジャパンライフ広告塔”問題で逃亡! 結果、「スシローがいない素晴らしい世界」が
さすがは「御用ジャーナリスト」の代名詞的存在なだけあり、今年も田崎“スシロー”史郎の安倍政権擁護も磨きがかかっていた。
英語民間試験の導入をめぐって飛び出した萩生田光一文科相の「身の丈に合わせてがんばって」発言。導入は見送られることになったが、この萩生田文科相の経済格差による教育格差を是認する暴言に田崎は「どういう問題があるかを浮き彫りにする意味において非常に効果的だった」「自分がやりたいことが、はからずも自分の失言によってできてしまうっていうパターンなんですよ」とコメント。さらに、政治と金の問題で河井克行法相と菅原一秀経産相がスピード辞任した件に対しては「早めに辞めさせて、後任もすぐに選んでいるんです。これ、危機管理としてはスピード、ここがいちばん大事なんです。そういう意味では非常に優れた内閣」と解説するなど、絶句のエクストリーム擁護を連発したのである。
もちろん、「桜を見る会」問題でもこれは同じだった。参加費1人5000円の「前夜祭」問題ではさまざまな法令違反疑惑が指摘されているなか、「実際にこういうときの食事は人数の半分くらいしか出していない」などとパリピをきどって訳知り顔で語ったが、だったら安倍首相は明細書を出せばいいだけの話。だが、田崎は「安倍事務所は政治資金の処理にもすごい慣れている。みすみす公選法違反になることはするはずがない」という根拠にならない理由で反論しつづけた。
しかし、2019年もこれだけの“実績”を叩き出し、当ランキングでは3年連続第1位に輝いてきた田崎が、なぜ今回は3位に転落したのか。それは田崎が「桜」追及の舞台から早々に撤退してワイドショーに出演しなくなったからだ。そして、その理由は本サイトでもお伝えしたように、田崎自身がジャパンライフの懇談会に参加し、宣伝に協力していたという問題を抱えているから。しかも本人から番組に「自分にジャパンライフの問題があるから、出演はできない」と自ら辞退したらしい。
日韓関係やIR汚職などの「桜」以外の話題では引きつづきワイドショーに出演している田崎だが、「桜」問題では田崎がいないだけで鋭い政権批判が自由に飛び出す空気が一時醸成された。田崎がいないだけで真っ当な言論が生まれるとは、「田崎史郎がいない世界」はなんと自由なことか。来年はぜひ、そうした世界がやってくることを祈らずにはいられない。