「『ひるおび!』の恵と菅さんがご飯を食べた」と東国原英夫に暴露されたことも
ご記憶の向きがあるかもしれないが、恵は、菅官房長官との秘密会食を公の電波で暴露されたことがある。2018年5月の『ゴゴスマ〜GOGO! Smile!』(CBCテレビ)のなかでいきなりコメンテーターの東国原英夫が「『ひるおび!』の恵と菅さんがご飯を食べた」と発言したのである。
その後、本サイトが官邸関係者に取材したところ、この発言はかなり確度が高いこともわかった。
「安倍首相と違って首相動静に載らないため表面化していないが、菅さんが恵さんと会っているのはたしかでしょう。東国原さんが指摘するよりかなり前から、定期的に会食しているという情報が耳に入ってきていましたから。『ひるおび!』の番組関係者が同席したこともあったようです」
実際、菅官房長官といえば、テレビのキャスター、コメンテーター、ジャーナリストへの会食による懐柔工作をはかっているというのは、有名な話だ。
毎日新聞の主筆や『NEWS23』(TBS)アンカーなどを務めた故・岸井成格氏は、佐高信氏との対談本『偽りの保守・安倍晋三の正体』(講談社)で菅官房長官の手口を証言している。これによれば、岸井氏は企業の幹部に話をするという勉強会を長く続けていたのだが、その場に菅官房長官が突然、やってきたというのだ。
「(菅官房長官は)黙って来た。誰かから聞いて知ったんだろう。最初から最後までいたよ。終わると『今日はいい話を聞かせていただいて、ありがとうございました』と言って帰っていった。怖いよな」
「『どこで何を話しているか、全部知っていますよ』ということを見せているわけだ。『人脈も把握しています。岸井さんが動いているところにはいつでも入っていけますよ』というメッセージかもしれない」(『偽りの保守・安倍晋三の正体』より)
岸井氏はそれでも菅官房長官と距離を取り続けたが、恵のほうはこうしたアプローチを受け、すっかり取り込まれてしまったということなのだろう。
しかし、だとしても、恵や番組が自分たちから積極的にここまで露骨な菅擁護をやるというのは考えにくい。そんなところから、自民党周辺ではこの日の『ひるおび!』について、「また例のパターンで菅がやらせたんじゃないか」という見方も流れている。
「また」というのは、2018年夏、NHKのウェブサイト「政治マガジン」が「菅義偉、彼は何を狙うのか」というタイトルで大提灯記事を掲載した際も、同様の見方が流れたからだ。
「当時、安倍三選の予想が強まるなか、自民党総裁選の後に控える人事をめぐって、清和会が菅官房長官のすげ替えを要求していた。そこで、危機感を持った菅さんは官房長官留任の流れをつくろうとNHKを使ってヨイショ特集をやらせ、『安倍首相を最後まで支える覚悟』というアピールをしたという見方がもっぱらでした。今回も、菅原一秀前経産相や河井克行前法相など側近のスキャンダルで相当、追い詰められていたところに、あの『ひるおび!』ですからね。もともと永田町では、“『ひるおび!』は菅系”という見方がありましたから、当然のように『菅がやらせたとしか思えない』という声があちこちから聞こえています」(全国紙自民党担当記者)
実際に菅がやらせたかどうかはともかく、6日の『ひるおび!』の内容と恵の進行が常軌を逸した露骨な菅擁護をおこなったことは間違いない。
今後は『ひるおび!』を“安倍応援団番組”として単純に批判するだけでなく、菅官房長官の情報操作がそこかしこに入っていないかも、チェックする必要があるだろう。
(編集部)
最終更新:2019.12.13 12:02