「昭恵氏枠」をめぐる食い違い答弁でも、菅に話を合わせない官僚を批判
さらに番組では、「桜を見る会」問題での「昭恵氏枠」をめぐって、菅官房長官が「ありません」と回答した直後に、内閣官房の大西証史・内閣審議官が「夫人からの推薦もあった」と回答した件を取り上げたのだが、ここでも、恵は驚きの主張を展開していた。
なんと恵は「これだけの鉄壁な、菅官房長官がありませんって言って、その48秒後に推薦がありましたっていうのは。まず驚いたのは、官僚のみなさん方が菅さんの発言を否定したって印象にうつった」と、昭恵枠を認めた大西審議官を批判し始めたのである。
これに同調したのが、安倍応援団の八代弁護士。八代弁護士は、「枠と推薦は違う」から菅官房長官の答弁は「ほころび」ではないと主張したうえ、「事前にここをすり合わせてどういうふうに答えるって決めていれば」問題はなかったのに、と完全に官邸側の視点で解説。
すると、恵も我が意を得たりと同調し、そのあとしばらく二人でまるで官邸の反省会議のような会話を繰り広げたのだ。
恵「(官房長官が)『推薦ありません』って言った後は、『どうなんですか、審議官』って言われたら『すみません、調べます』とか」
八代「あるいは『官房長官が言われた通りです』とかが、普通じゃないですか」
恵「意見が違うようにまず見えないようにするべきだと思うんですが、ここ珍しい」
ようするに、恵も八代弁護士も「菅官房長官がそう言っているんだから、官僚も本当のことなんて話さずに、一緒になってちゃんと国民を騙せ」と主張していたのだ。
いったい誰目線で政治を語っているのか、とつっこみたくなる会話だが、この日の『ひるおび!』は終始、こんな調子で、菅官房長官の立場に立って「桜を見る会」問題を取り上げ、菅官房長官を擁護しまくったのである。今回の「桜を見る会」問題では、これまでと違い多くの新聞やテレビが、菅官房長官の不誠実な答弁や食い違いを批判していた。そのなかで、ここまで無理やりな擁護と礼賛を展開するというのは、はっきり言って異常というしかない。
しかも、その中心になっていたのはまぎれもなくMCの恵だった。本サイトはこれまでも『ひるおび!』が安倍応援団番組だと繰り返し指摘してきたが、今回の放送で、それは田崎史郎氏やネトウヨ的思想を持つ八代弁護士の問題だけではなく、MCの恵自身も安倍応援団だったことがはっきりしたと言っていいだろう。
いや、安倍応援団というのは正確ではないかもしれない。実は恵については、前々から安倍首相よりも菅官房長官に近いという指摘がなされていた。