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小籔だけじゃない、吉本興業が政府PRで荒稼ぎ! ケンコバ、おかずクラブや尼神インターも 背景に安倍首相の意向

小籔はただの出演者ではなく、「人生会議」選定委委員会のメンバー

 実際、今回の厚労省の小籔起用などはその典型だろう。というのも、ネットではまるで被害者のように擁護されている小籔だが、今回のただの“アイコン”として起用されたわけでなく、もともと「人生会議」という愛称を決める選定委委員会のメンバー。まるで政府機関の「有識者」扱いを受けているのだ。この重用は小籔が、たんに吉本芸人というだけでなく、常に安倍政権を擁護してきた安倍応援団であり、「教育勅語は悪くない」と発言するなど、そのスタンスが安倍首相好みであることと無関係ではないだろう。

「なかでも、厚労省は政権忖度の傾向が強いかもしれません。最近も、エイズ啓発イベントに村西とおる氏を出演させようとして批判を浴び、結局出演中止になるという騒動もあった。お役所の常識で考えればあり得ないキャスティングだったが、村西氏もやはり安倍応援団・ネトウヨ的発言を繰り返していることは有名ですから」(全国紙政治部記者)

 いずれにしても、安倍首相と吉本の関係は税金を使った「癒着」としか言いようがないが、こうした安倍首相忖度の吉本芸人起用というのは、もうひとつ大きな問題がある。それは、吉本芸人のきようによって、各省庁の発するメッセージが本来、官公庁としてありうべき姿勢からどんどん遠ざかり、歪められてしまうという問題だ。

 言うまでもなく、PRや広告というのは普通、依頼主が打ち出したいメッセージに沿ってタレントを選ぶ。しかし、吉本が一括して制作を請け負えば、当然のように自社タレントを起用する。つまり、本来伝えるべきメッセージにタレントを合わせるのではなく、タレントのキャラクター性を優先させてしまうのである。しかも、そこで持ち込まれるキャラクター性は、バラエティに蔓延する反知性・反ポリコレ芸の延長線上にあるもの。吉本タレントありきの結果、メッセージがねじ曲がったり、表現が稚拙になったり、それこそ、公共性への配慮がおざなりにされてしまうのだ。

 そう考えると、小籔起用で4070万円もの血税をパーにした今回の事態は起こるべくして起きたとも言えるだろう。

 ただでさえ、費用対効果が見えづらい広告の世界は、税金の使い道の“ブラックボックス”にされやすい。今回の“小籔ポスター”炎上問題は氷山の一角だ。政府と吉本興業の“関係”をもっと疑問視すべきである。

最終更新:2019.12.01 01:19

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