野党が災害対応のために開催延期を求めた予算委員会を強行した安倍自民党
たとえば、立憲民主党・福山哲郎議員は、質疑で“野党が開催延期を求めたのになぜ予算委開会を判断されたのか”と安倍首相に詰め寄ったのだが、安倍首相の答弁はこんなものだった。
「われわれは現在も懸命の救助活動をおこなっておりますし、政府をあげてまさに災害対策をおこなっております。一方、この委員会の開催については委員会がお決めになることであり、われわれは求められれば憲法の規定によって政府として答弁を申し上げている」
開催延期を拒否したのは自民党なのだから、安倍首相の鶴の一声があれば委員会の延期はなされたはずだ。それを「自分は委員会の判断に従っているだけ」と、とぼけて責任転嫁。しかも、安倍首相はその後も、こんなことを言い出した。
「きょうは1時間、さらに災害についての審議が加わったわけですが、もちろん、これは職員にとってはですね、災害に対応しなければならない諸君がさらに答弁に対応するわけですが、たいへんでありますが、しかし、要求されれば誠実に対応しなければならないというのが私どもの立場であります」
ようするに、きょう予算委を開いたことによって、本来なら災害対応に当たる職員たちが国会答弁の対応に当たらざるを得なくなったことを安倍首相は認めているのだ。つまり、それをわかっていながら、安倍首相は予算委開催を強行させたのである。
しかも、耳を疑ったのは、13日、自民党の役員会で二階俊博幹事長が「いろいろ言われていたことからすると、まずまずには収まったと感じている」と述べた問題について追及を受けたときの発言だ。立憲民主党の杉尾秀哉議員が「この発言内容を聞かれて総理はどう思ったか」と言及すると、安倍首相はこう言い放ったのである。
「あの、私は、内容において……発言の中身について詳細について承知をしておりませんので、コメントは控えたいと思います」
死傷者が多数出て、さらには甚大な被害が拡大中だというのに、「まずまずには収まった」などと述べることは被災地を蔑ろにする発言であり、無論、二階幹事長の発言はニュースとして伝えられ、問題視されてきた。なのに、安倍首相は「中身は知らないからコメントしない」と答弁拒否したのである。