三浦瑠麗のTwitter
脅迫やテロ予告を含む電凸攻撃によって閉鎖に追い込まれていた「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由・その後」が、10月6〜8日を目処に再開する運びとなった。9月30日に、トリエンナーレと不自由展の両実行委員会が展示再開で合意したためだ。
同展の中止をめぐっては、国内外から「表現の自由」の抑圧を危惧する反対の声が相次ぎ、先月25日には、第三者による検証委員会が会場の警備等を念頭に「条件が整い次第、すみやかに再開すべきである」と中間報告で提言していた。「表現の不自由展・その後」の展示作品では、慰安婦問題を象徴する「平和の少女像」が「反日」とのバッシングを受け、大浦信行氏の作品「遠近を抱えて PartⅡ」が「昭和天皇の肖像を燃やしている」などとして右派から攻撃の対象となった。また、中垣克久氏の作品はネット上で「特攻隊を侮辱している」なるデマ攻撃を受けた。
本サイトで伝えてきたように、その背景にあるのは、菅義偉官房長官、柴山昌彦文科相(当時)、河村たかし名古屋市長や松井一郎大阪市長、自民党の国会議員らによる電凸の扇動だ。さらに文化庁は先月26日、トリエンナーレに対してすでに採択してあった約7800万円の補助金を交付しないとの決定を下し、表現者を中心に大きな批判の声があがっている。安倍政権によるマッチポンプ的な“国家検閲”が仕掛けられてもなお、「表現の不自由展・その後」の再開が合意されたことは、表現の自由が本来、国家権力から個人を守るための権利であることからも当然だ。まずは率直に再開を喜びたい。
そんななか、不自由展の展示に言及した“あの人”の連続ツイートが、にわかに話題になっている。国際政治学者の三浦瑠麗氏だ。
三浦氏といえば、テレビにも頻繁に登場し、一見、中立ぶったメタ目線の話をしているようにみせかけて、実のところ政権を擁護しまくっている“安倍応援団”の一員。そのかいあってか、最近では安倍首相が開催する有識者会議のメンバーにも選ばれるようになり、どんどん政権御用化が露骨になっている。
そんな三浦氏が先月26日、自身のTwitterに〈あいちトリエンナーレを観てきました。時間がなくて、話題の展示もほとんど見ることができず、今は閉鎖されている「表現の不自由展~その後」だけ専門のキュレーターの方にガイドしていただき、鑑賞してきました〉と投稿。不自由展と展示作品について連続ツイートをしたのだが、その理解のあまりの浅薄さに、いま、方々からツッコミが相次いでいるというわけだ。
ちなみに、なぜ三浦氏が閉鎖中の「表現の不自由展・その後」を鑑賞できたかというと、前述した検証委員会の「ヒアリング対象者」だったからである(検証委員ではない)。中間報告書によると、検証委員会は約30名にヒアリングしており、その対象は芸術監督の津田大介氏や参加アーティスト、実行委員会関係者、あるいは大村秀章愛知県知事および県庁の関係者らがほとんど。このなかになぜか「有識者」なる3名の枠があり、三浦氏は木村幹・神戸大学大学院教授、木村草太・首都大学東京教授とともに名を連ねていた。
朝鮮半島研究で知られる木村幹氏、憲法と思想信条の自由などの人権が専門の木村草太氏はまだわかるが、なぜここで三浦氏が出てくるのか。ちょっと人選基準が謎だが、それはともかく、三浦氏は観賞の感想をいつもの“上から目線”で連続投稿した。すると、Twitterでは「言っている意味がわからないがとにかくヤバイ」「中身はスカスカなのに違和感だけが残る」との多くの酷評が噴出したのである。