岩屋毅防衛相はレーダー問題での「冷静な対応」が官邸の怒りを買い、内閣改造で更迭確実
報復でビザ制限をかけるなどとんでもない暴挙だが、世耕経産省の「報復措置ではない」という主張はやはり大嘘で、安倍官邸のご機嫌をとるために報復措置を「経産省が引き取った」のである。
そして、外務省が査証要件厳格化に対応しなかったことで、河野外相が安倍首相からの評価に響くと焦燥感を持ったことは想像に容易い。
すでに、防衛省の岩屋毅大臣はレーダー照射問題の対応で「弱腰すぎる!」とネトウヨのみならず安倍官邸からも見限られ、次の内閣改造で“更迭”されると見られている。つまり、河野外相は“岩屋の二の舞になりたくない”という一心で、わざわざカメラの前で「極めて無礼だ!」と韓国大使を罵倒し、「歴史を書き換えるな」などという暴言を吐くという強硬姿勢に出たのだ。
指摘されつづけていることだが、小選挙区比例代表制による“一強独裁”体制の安倍自民党では、安倍首相に媚を売っておもねる議員しか存在しなくなった。そうして安倍首相の機嫌をとるために、党全体が歴史修正主義を強め、御眼鏡にかなうべく、フェイクや過激なヘイト発言を競い合うように言い放つ状況が常態化してしまった。
つまり、今回の日韓問題は、安倍首相に忖度する閣僚含む議員たちがこぞって暴走し、本来ならばそれを批判し諌めるべきメディアがその暴走に乗っかり、国民にヘイトを煽るという、秩序が失われた“国家総暴走”と言うべき状態に陥っている。歴史修正主義が蔓延しきって、国全体で内面化されてしまったこの状況は、もはや誰にも止められないところまできてしまったのではないか。そう危惧せずにはいられないのである。
(編集部)
最終更新:2019.09.03 10:59