首相との懇談会費用は官房機密費から支出されることも
ようするに、西川も昭恵夫人との会食によって完全に取り込まれていたわけだ。そして、西川はそれから1年も経たないうちに、再び会食。そして、今回の会食についても、前述のように、昭恵夫人を一切批判することなく、“自虐トークもできる面白い人”としてエピソード紹介していた。
しかし、食事までおごってもらっていたとすれば、この変貌とヨイショぶりもよくわかる。「金持ちの芸能人が食事をおごってもらったくらいで」と思うかもしれないが、それは金の問題ではない。時の権力者に食事をご馳走してもらうという事実が及ぼす心理効果は絶大なものがある。
実際、「週刊ポスト」2014年11月14日号は、安倍首相と新聞・テレビ各社幹部との会食費用について〈1人1万円はくだらないが、首相との懇談会費用は官房機密費か、時に首相の事務所から支出されることもある〉としたうえ、大手紙ベテラン政治記者のこんなコメントを掲載している。
「民主党政権はケチだったけど、安倍自民に政権交代して雰囲気が変わった。与党議員側から食事の誘いがかかるときはだいたい高級料理店の個室。もちろん支払いは向こう持ち。民主党政権時は割り勘も多かったから“情”の移り方も違う」
今回、デーブの核心を突く質問と西川の無防備な回答によって、「昭恵夫人からおごってもらった」という可能性が濃厚になったが、おそらくこれは西川だけの問題ではない。
テレビ、新聞各社の幹部や田崎史郎ら御用ジャーナリストも、こうしたかたちで“官邸からおごってもらっている”のではないか。
安倍政権下の6年間で、政権幹部とのマスコミ関係者との会食がすっかり当たり前のようになってしまっているが、慣らされてはならない。権力とその監視者の癒着を放置すれば、報道の自由がさらに侵され、安倍独裁が進んでいくことをわたしたちはもっと自覚すべきである。
(本田コッペ)
最終更新:2019.08.03 11:09