自由民主党ホームページより
候補者の思想性や主張などをチェックし、その“極右度”を3段階の☆印で評価するリテラの「ウヨミシュラン」。すでに比例区編をお届けしたが、後編では選挙区の候補者から8名をピックアップして紹介しよう。
☆の数はヘイト度、影響度、危険度、キャリアなどから総合的に判断したが、結果から言うと、選挙区編も自民党ばかりになってしまった。これは、安倍自民党がそれくらいヤバイということの表れだろう。
第二次安倍政権が誕生してからはや7年目、“安倍一強政治”のなか、誰も彼もが“右向け右”。国民はすっかり慣れてしまった感もあるが、この「ウヨミシュラン」で候補者のヘイト思想やネトウヨとの親和性、反人権、歴史修正主義を確認し、我にかえってもらいたい。(登場順は北あるいは東の選挙区から)
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中泉松司(秋田)☆ イージス・アショア配備をごまかす自民候補者の右派思想
2013年当選組のいわゆる“安倍チルドレン”のひとり。「イージス・アショア」の配備が争点となっている秋田では、一貫して配備反対を訴える無所属新人・寺田静香氏にたいし、自民党は中泉氏の応援に安倍首相や菅義偉官房長官ら大物を投入。本人が「(配備は)良いか悪いかを言う前の段階」と明言を避けるように、争点をぼかそうという狙いがミエミエだ。
そんな中泉氏は、日本会議や神道政治連盟の議連、みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会などに所属する右派政治家である。前回当選時には、Twitterでネトウヨユーザーから〈秋田県は韓国と関わりがありますが、国内の嫌韓が高まる現状をどう思われますか?〉などと聞かれ、〈県議時代も現況に鑑み県立高校の韓国への修学旅行は見合わせるべきと委員会にて自民党会派として強く求める等した経験があります〉と自慢げに返答(2013年8月7日)。ヘイトを政治利用する片鱗をみせている。
丸川珠代(東京)☆☆ ネトウヨデマに乗りヘイト団体代表から応援受ける安倍チル
第二次安倍政権で環境相や五輪担当相を歴任。初当選した2007年参院選で、安倍首相が直々に口説き落とした、“元祖・安倍チルドレン”のひとりだ。昨年、森友問題をめぐって、佐川宣寿・元財務省理財局長へ「安倍総理からの指示はありませんでしたね?」などと聞いた喚問が、“誘導尋問”として大きな批判を浴びたのも記憶に新しい。
いまとなっては信じられないかもしれないが、実は、丸川氏はある時期まで、リベラルなスタンスの発言をするタイプの人間だった。たとえば、テレ朝時代の2003年に刊行した金子勝・慶応大学教授との共著『ダマされるな! 目からウロコの政治経済学』では、当時の小泉政権によって進められていたネオリベ的な小泉改革や、米国ブッシュ政権によるイラク戦争の強行などを鋭く批判していた。
ところが、前述のとおり安倍首相に見初められ、安倍チル議員になると、その丸川氏が日本の核武装について「検討を始めるべき」(2007年参院選候補者アンケート、今回は「検討すべきではない」と回答)と主張しだすなど右旋回し、さらには「辻元清美が乗ったピースボートが自衛隊に護衛を要請した」というネトウヨが流したデマをしたり顔で語る(自民党のネット番組『Café Sta』2015年7月)など、みるみるうちにネトウヨ化。
今回の選挙選でも、「日韓断交」などを掲げるヘイト政治団体代表の鈴木信行が応援に駆けつけている。鈴木氏および氏の事務所のツイートによれば、鈴木氏は〈葛飾自民党からのお招き〉で丸川氏の演説会に出席。その場で「応援者」として紹介されたという。安倍首相の寵愛を受けてますます極右化していく丸川氏。ネトウヨやヘイト界隈が秋波を送るのには、それだけの理由があるということだ。