何をどう発表すればいいか、誰も決められなくなっている
しかし、ジュリー氏によるジャニー社長外しとジュリー体制強化が修正されることはなかった。
滝沢秀明のプロデューサー転身もジュリー路線へのカウンターとしてジャニー社長の後を継ぐためのものだったが、ジュリー氏の巻き返しで、滝沢の権限はかなり限定的なものとなっている。そもそも滝沢も、ジャニー社長ほどの求心力とプロデュース手腕があるかは未知数だが、社内政治的にはすでに敗色濃厚だ。
こんな惨状で、もしジャニー社長の身に何かあったら、これまで押さえつけられてきた不満が一気に噴き出ることになるだろう。中居や長瀬、堂本剛に限らず「ジャニー社長がいなければ事務所に残る義理はない」と考えているタレントや事務所スタッフは少なくない。もしジャニー社長に何かあれば、タレントたちはどんどん離れていくだろう。そうなれば、テレビ局のジャニーズ離れも時間の問題だ。
ようするに、ジャニーズ事務所自体もこうした状況は当然把握しており、だからこそ厳しい箝口令を敷いて、その間に体制固めをしようとしている、ということだろう。もっとも、このジャニーズの必死なジャニーさん隠しにも、芸能界では冷ややかな見方が広がっている。
「滝沢秀明らジャニー社長に心酔する者をおさえようとしているのかもしれませんが、かなり難しいでしょう。というか、いまのジャニーズ事務所の状況を見ていると、そこまで戦略的なことすら考えていないかもしれない。もはや、何をどう発表すればいいかさえ、誰も決められなくなっている可能性もある」(芸能プロダクション幹部)
箝口令が解かれるときが、ジャニーズ事務所の本格的崩壊の始まりかもしれない。
(時田章広)
最終更新:2019.06.26 09:44