元号に内奏公開、トランプ接待、エスカレートする安倍の天皇政治利用
なんという露骨な政治利用。しかし、安倍首相はこれまでも、改元・新天皇の即位の“私物化”を進めてきた。
その象徴が、元号をめぐる安倍首相のパフォーマンスだろう。新元号の「令和」は安倍首相が独断専行に近いかたちで決めたことが朝日新聞のスクープで判明したが、じつは発表前から首相官邸幹部に「首相の元号ではなく、次の時代の元号。政権の政策につなげて『安倍色』を出し過ぎれば、政治的なリスクになりますよ」と進言されていたのだという。
にもかかわらず安倍首相は、自ら会見を開き、何の関係もない「世界に一つだけの花」を持ち出しながら「一億総活躍社会をつくり上げることができれば、日本の未来は明るい」などと強調。その後もテレビ番組をはしごし、自ら前面に立って新元号をPRしたのだ。
しかも、この「令和」キャンペーンで支持率が上昇すると、味をしめた安倍首相は、皇室政治利用をどんどんエスカレートしていった。
新天皇が即位すると、5月14日に即位後初の内奏をおこなったのだが、翌日にはなんとその様子を公開。内奏の内容公開は「天皇の政治利用につながる」という懸念から公開しないのが原則だが、安倍政権のあまりに露骨な政治利用に批判の声があがった。
また、安倍首相による皇室の政治利用ショーが、もうひとつ目前に迫っている。それは、皇太子が新天皇に即位して最初に迎える国賓が、アメリカのトランプ大統領に決まったことだ。トランプ大統領とメラニア夫人が今週末から来日するが、安倍首相はこの間、ゴルフに大相撲観戦などをおこなう予定で、参院選前に“トランプとの仲の良さ”を最大限にアピールするつもりでいる。そのなかでも、もっとも目玉なのが新天皇とトランプ大統領の会見だ。
2017年11月、当時の明仁天皇と美智子皇后がトランプ大統領と面会したときは、天皇皇后の意向もあって、最低限のものにとどめられたといわれているが、今回はたっぷりと時間をとって、派手に演出するのではないかといわれている。つまり、天皇をトランプ接待に利用して、強固な日米同盟を演出しようというわけだ。