秋元康の歌詞批判をしたリテラにAKS法務部から抗議メールが
しかし、はっきり言って、これ、山口が言いくるめられているとしか思えない。なぜなら、本サイト自身が、「AKSと秋元とが一体」「AKSは秋元の下僕として動いている」としか考えられない体験をしているからだ。
それはいまから3年前、2016年4月、HKT48のシングル「74億分の1の君へ」に発売された少し後のこと。本サイトは、同シングルに収録されているカップリング曲「アインシュタインよりディアナ・アグロン」の歌詞が女性蔑視であるというネットの声を受けて、秋元康の歌詞にある女性差別思想を分析、批判する記事を掲載した。
すると、AKB運営会社であるAKS 法務部から、「名誉毀損及び侮辱罪が成立する」「即刻、記事を削除せよ」というメールが送りつけられてきたのだ。
当該記事が正当な論評記事であることは当時、本サイトで徹底的に反論しているので詳細はそちらを参照してもらいたいが(https://lite-ra.com/2016/04/post-2181.html)、そもそも当該記事は、秋元康の歌詞とその背景にある秋元康の女性蔑視思想を批判したもので、秋元康の歌詞を歌わされているメンバーの批判など一切していないし、運営会社であるAKSのことなど一文字足りとも書いていない。
しかしこの秋元康批判記事を、なぜかAKS法務部が「削除しろ」とメールを送りつけてきたのだ。
しかも秋元康の歌詞について〈当該歌詞は、女優ディアナ・アグロンに憧れる架空の女の子のお話しであり、特定の女性像を推奨する内容ではなく、差別的な意図は全くありませんし、その他貴社が指摘される楽曲の歌詞についても同様に、女性蔑視やセクハラの意図は全くありません〉と外部クリエイターにすぎないという作詞者・秋元康の意図まで代弁していた。
ちなみにAKSは「その他の楽曲の歌詞についても同様に、女性蔑視やセクハラの意図は全くありません」と言っているが、その他の楽曲のなかにはAKSとはなんら関係のないおニャン子クラブの楽曲の歌詞も含まれていた。外部クリエイターにすぎないらしい秋元康の過去の楽曲まで含めた批判記事を、AKS 法務部は「削除しろ」と要求していたのだ。
AKSと秋元康が組織として無関係というならば、いったいどういう立場で、AKS法務部が秋元康の批判記事の削除要求し名誉毀損を提起するというのか。この不可解な抗議を見るかぎりAKSは秋元康と一体(少なくとも一体という意識を持っている)であり、秋元康のために動いている。「AKSに秋元が逆らえない」のでなく、「AKSが秋元に逆らえない」としか、考えられないだろう。