メディアが「日本スゴイ、日本スゴイ」と煽る裏で進行する厳しい現実
厳しい経営を余儀なくされて背に腹を変えられない大学や研究者の頬を札束で叩き、カネで釣ろうとする施策は着実に成果を残しつつある。
「Japan Today」をはじめ、海外で皮肉られた「とにかく、日本はどうですか?」「日本スゴイ」ばかり煽る傾向は、あらゆる物事に対して「国家への貢献」を求める風潮と裏表の関係にある。そしてそれは、なんら前向きな影響をおよぼさない。
「日本スゴイ、日本スゴイ」と自己暗示をかけるばかりで、外ではなにが起きているかをメディアが伝えず、受け手も見ようとしなくなった結果、家電メーカーは凋落。液晶テレビやスマートフォンなどの分野で日本企業のプレゼンスはほとんどなくなってしまった。
それは科学技術の分野だけでなく文化・芸術でもそうだ。K-POPが世界中で確かな地位を占めつつあるなか(4月5日付ビルボードチャートでBLACKPINKはシングル・アルバムともに総合チャートに入り、次週のチャートではBTSの新作が首位をとる可能性が非常に高いと言われている)、ハリウッド映画のプロモーションで世界中をまわるスターが韓国までは来ても日本には来ないでそのまま帰っていく光景ももはや見慣れたものとなった。
「日本スゴイ、日本スゴイ」と殻の中に閉じこもっていい気持ちになっているのは勝手だが、それによってもたらされるのは「凋落」だけだということに、いい加減気づくべきだろう。
(編集部)
最終更新:2019.04.18 10:59