長期勾留も口封じが目的! 人質司法が続く限り検察の腐敗は温存される
とにかく、今回のゴーン再逮捕は、この三井事件と展開がそっくりなのだ。
いや、三井事件だけではない。検察の口封じ逮捕はほかにも山ほどある。最近では、2017年7月、森友学園前理事長だった籠池泰典氏とその夫人が補助金不正受給問題で大阪地検特捜部に逮捕され、異常な長期勾留をされたのも、国有地売却問題に関する安部首相夫人の関与を訴え、検察の動きを「国策捜査だ」と批判していた籠池夫妻に対する口封じが目的だった。
いや、もっと根本的なことを言えば、いま、検察や警察がやっている長期勾留のほとんどは、“口封じ”が目的とも言える。身柄を拘束し続け、外部と遮断することで、容疑事実の否認、強引な取り調べや恣意的な捜査への批判を封じ込め、検察に屈服させる。それが究極の目的なのだ。
そして、実際、この人質司法は冤罪や違法な捜査、検察という組織の腐敗を温存させてきた。
もっとも、今回のゴーン被告再逮捕はこれまでと違う点がいくつかある。ひとつは、ゴーン被告がフランス人であることから、国際社会が日本の異常な人質司法を批判的な視点でチェックしていること。そしてもうひとつは、ゴーン被告の弁護に“無罪請負人”といわれる弘中弁護士がついて、徹底的に闘う姿勢を示していることだ。弘中弁護士はすでに、ゴーン被告の声明を収めた動画の存在を明かし、近いうちに公開することを予告している。
楽観は許されないが、今回のゴーン再逮捕劇で、検察捜査の人質司法の問題点が大きな批判にさらされる可能性もゼロではない。
(編集部)
最終更新:2019.04.05 10:54