ウーマン村本は「小器用なテレビ芸に薬物を使う必要ない」
このように、「お笑い芸人は薬物をやらない」説はツッコミどころ満載なのだが、そんななか、この馬鹿げた仮説に異論を唱えた芸人がひとりだけいる。ウーマンラッシュアワーの村本大輔だ。村本は3月19日夜、noteにこんな投稿をした。
〈芸人は薬物をやらない
笑わせるのは薬物以上に気持ちいいから
と言われてるらしい
人の理解を超える作品を作ってる人がいない
要は覚醒してるような作品を作ってない、小器用なテレビ芸に薬物を使う必要ない
もちろん全員が全員じゃない話〉
「芸人は薬物をやらない」説と違って、この村本の主張に賛同している芸人は今のところ見当たらないし、むしろネットではいつものように総攻撃を受けている。
しかし、村本の指摘は的を射たものだ。現在、テレビや芸能界の中心でつくられているお笑い番組は、視聴者もよく見知ったいつもおなじみの芸人たちが、演者同士の人間関係をベースに、お互いに空気を読み合い、破綻しないトークを行い、そのなれ合いの空気のなかに楽しさを見出す「小器用なテレビ芸」に終始しており、ゼロから何かを生み出すようなクリエイティビティはほとんど失われている。
村本の言う通り、今はほとんどの芸人が「人の理解を超える作品」「覚醒してるような作品」を創作などしていないのだ。
創作の苦しみと本当のよろこびは、ウケるかどうかわからない、もしかしたら大外したり寒くなるかもしれないギリギリのところにチャレンジして、それを突破してこそ得られるものだ。しかし、予定調和のなかでの「ウケる快感」に満足しているのであれば、村本の言う通り、そんなテレビ芸に薬物などそもそも「必要ない」。
「ウケる快感」などと言っているが、彼らは本当の意味で「創作することの快感」をわかってないのだ。