貴乃花が『スッキリ』で「相撲はもともとシュモウ、ヘブライ語です」
たしかに、昨年亡くなった輪島への追悼文のなかでも、輪島の思い出を「夜に突然来られてあっという間に残り香を遺して帰られるような輪島さんは(中略)宇宙人みたいな、それこそ天孫降臨されたような方でした」と、意味不明な「天孫降臨」という言葉の使い方をして、天皇を宇宙人扱いする始末だった。
そう考えると、貴乃花は、単なる極右というより、「トンデモオカルトに心酔している」といったほうがいいかもしれない。
昨年11月、景子夫人と離婚直後に『スッキリ』(日本テレビ)に出演した際、突然こんな典型的トンデモオカルト発言をして、ドン引きさせたこともある。
「相撲は、日本語じゃない。もともと「シュモウ」、ヘブライ語です。ものすごくつながりが深い。世界をまたにかけてのことですから。世界の思想に役立てればいいなと思います」
相撲の起源がヘブライ語だと、日ユ同祖説をぶちあげたのだ。
しかし、貴乃花のトンデモオカルトぶりはこれがはじめてでなく、過去にも散々連発している。貴乃花が、京都宇治市にある「龍神総宮社」に心酔しているのは有名な話。この神社で行われる豆まきの行事には毎年参加しているし、昨年までは弟子も引き連れて参加していた。
京都宇治市にある「龍神総宮社」。名前だけ見ると、普通の神社のような印象を受けるが、この神社、かなりオカルト臭のする新興宗教団体なのだ。たとえば、同団体のHPをのぞいてみればいい。そこには「様々な奇跡が、ここ龍神総宮社では、いつも起きています。」「あなたも必ず救われます。」「神様とともに右肩上がりの会社経営の道を歩みましょう」などの煽り文句のもと、「ガンが消えた!大学病院もびっくり」「奇跡!! 大津波が庭の直前で止まった 神様ありがとうございました」といった信者の怪しげな奇跡体験がいくつも掲載されている。
龍神総宮社と貴乃花部屋の関係は非常に近い。貴乃花部屋は大阪場所宿舎としてこの神社を使用していたし、また、貴乃花部屋に所属していた貴公俊と貴源治の名前は、創始者である辻本源治郎と現祭主の辻本公俊から取ったとされている。
その辻本公俊氏の著書『2012人類の終焉~太陽からの啓示』(ブックマン社)の表紙の帯には貴乃花が顔写真つきで「この本を推薦します」という推薦文を寄せているのだが、これがまたトンデモオカルト本なのである。
目次からして異様である。「人類のルーツは、縄文日本人だ」に始まり、「神武天皇は、古代イスラエルの神官王の子孫だった」という日ユ同祖説、さらに「太陽系がフォトン・ベルトに包み込まれたとき、何が起きるのか?」「金星が光り輝き、消える時に地球に恐ろしいことが起きる」「地球の双子星『クラリオン』の出現」と、クラクラするような文言がずらりと並んでいる。
これを見ると、『スッキリ』でいきなり「相撲って日本語じゃない。ヘブライ語なんです」との日ユ同祖説をぶちあげたのもよくわかる。
加えて、同書には「南京虐殺はなかった」「教育勅語は世界で高い評価を受けた」などという、極右歴史修正主義的主張までちりばめられている。貴乃花の極右カルトじみた発言もここから来ているのだろう。