元凶は秋元康がつくり出したAKBグループのシステムにこそある
その上、今回の暴行事件の発生──。今回の暴行事件ではメンバーの関与が取り沙汰されているが、そもそもAKBグループのシステム自体が内部で不和が起こりやすいものであることも一因にあるだろう。「選抜総選挙」が象徴的な競争を煽る構造や、「恋愛禁止」といった非人道的なルールを強要している環境によるストレスは、メンバーのメンタルをむしばみ、メンバー間の軋轢を引き起こす要因になるからだ。そういった構造であるにも関わらず、運営はメンバー間のコミュニケーションをケアすることを怠り、山口は追い詰められてしまった。
また、握手会に代表される“疑似恋愛”ビジネスも、ファンとのトラブルを生み出す要因となっていることは言うまでもない。さらに、一部メンバーが秋元氏ら運営幹部から優遇される一方、そうではいメンバーのなかには過度な競争のなかで承認を求めてファンへの依存度が高まってしまうという問題も生じている。
メンバーへの精神的負荷を考慮することなく、こうしたシステムをビジネスとしてつくり上げ、温存させてきたのは無論、秋元氏だ。しかも、松村AKS取締役が「憂慮されている」という“お言葉”を伝えた状況からもわかるように、秋元氏はもはやAKBグループ運営における“天の声”“天皇”と化しており、運営はそれに忖度するかたちで事業を進めているとしか思えない。そこに伸介氏によるメディア統制が加わっている状態と言っていい。このような構造が、秋元氏の直接的な責任を問えない仕組みになっているのだ。
だからこそ、強く指摘したい。一刻も早く山口に謝罪をおこない、今後の方針を明らかにすべきなのは、秋元氏だ。
(編集部)
最終更新:2019.01.14 11:34