大ヒットとなったU.S.A.
「U.S.A.」が大ヒット、再ブレイクを果たしたボーカル&ダンスグループDA PUMP。年末の番組にもひっぱりだこで、現メンバーだけでなくすでに脱退した元メンバーにも脚光が当たる現象まで起こっているが、そんなひとりが2008年に脱退したYUKINARIだ。YUKINARIは10月24日放送『ナカイの窓』(日本テレビ)に出演、司会の中居正広とネットでは“久々の再会”“思い出話に花が咲いた”などと話題になったのだ。しかしこの再会劇にはメディアが触れない微妙なシーンがあった。
スタジオにYUKINARIが登場すると中居は口に手を当てながら「あれっ、えっっ!」、「ちょっと、どうして」と、いかにも“旧知の人の突然の登場”に驚いたような様子を見せる。
さらにYUKINARIのプロフィールを紹介した陣内智則が「中居さんとは結構……」とかつて2人がしょっちゅう共演していた旧知の仲といった感じで話をふった。
かつてDA PUMPが人気を博していた2000年前後は、言うまでもなくSMAPも国民的アイドルとして絶大な人気を誇っていた。同時代の人気者同士、当然多くの音楽番組やバラエティ番組で共演していたはず、陣内はそう思ったのだろう。
ところが、中居は「いやっ」と一瞬言葉をつまらせてしまったのだ。
その直後、YUKINARIのほうが「紅白とかでご一緒した」と助け舟を出したのだが、中居のこの反応はかなり不自然で微妙なものだった。
どうして中居は答えられなかったのか。それはDA PUMPとジャニーズ事務所の間に長年の“因縁”が存在したからだ。
DA PUMPがデビューしたのは1997年。歌唱力やダンスも抜群のセンスで、翌年の1998年から『NHK紅白歌合戦』に5年連続で出演するなど、大人気の存在となったのは周知の通りだが、しかしブレイクに至るまでには、ジャニーズ事務所の陰湿とも思える妨害行為があった。その最たるものが、1997年12月に起こったKinKi Kidsの『ミュージックステーション』(テレビ朝日)ドタキャン事件だ。この一件はジャニーズ事務所が『ミュージックステーション』に出演予定だったKinKi Kidsを前日になって出演しないと一方的に通告してきたもの。
当時、ジャニーズタブーのため、多くのメディアはこのドタキャンじたいを報じなかったためあまり知られてはいないが、写真週刊誌『FOCUS』(新潮社/2001年休刊)が、このドタキャン事件の背景をDA PUMPの存在にあるとしてこう報じた。
〈番組には沖縄出身のダンスボーカルユニットで、目下人気急上昇中のDA PUMPも出演することになっていた。〉
〈KinKi Kidsの突然の降板は「DA PUMPを出すなら、ウチのタレントは出演させない」というジャニーズ側の意思表示。つまりは、強大な力を背景にテレビ局に圧力をかけるための“恫喝”降板だったのだ。〉