「普天間を固定化させる気か」と恫喝する者たちは過去に何をやったのか
安倍政権のやっていることは、米軍基地を完全になくすという選択を放棄し、「辺野古か普天間か」という脅しによって、その批判をかわそうとしていることにほかならない。そして、新基地建設に反対する人たちに対して「お花畑」と攻撃し、「お前たちのせいだ」と責任をなすりつけて、根本的な問題を先送りにし続けているだけだ。
そもそも、「辺野古に反対して普天間を固定させる気か」と恫喝する者たちは、一度でも普天間で頻発する米軍による重大事故にきちんと文句を言ったことがあるのだろうか。
あらためて指摘しておくが、日本政府は頻発する「普天間の危険」に何の対応もとっていない。たとえば昨年12月、普天間飛行場に近い普天間第二小学校に米軍海兵隊の大型輸送ヘリCH53Eの窓枠が校庭に落下するという事件が起こったが、日本政府は強い抗議をおこなうこともなく、米政府と市内の学校上空の飛行を「最大限可能な限り避ける」という内容で合意。結果、事故後約1カ月で米軍は普天間第二小の上空を飛行。事故から1年のあいだに米軍機が小学校に接近し、沖縄防衛局の監視員が児童たちに避難の指示を出した回数は、なんと678回にもおよぶ。
安倍政権は口を開けば「普天間の危険性の除去」と言うが、現実に起こった事件に対し、米軍に実効性のある再発防止策を実施させることさえしていないのだ。
いや、それどころか、国会でこれらの事故の問題を追及していた最中、自民党の松本文明内閣府副大臣(当時)は「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばした。沖縄県民を生命の危険に晒しつづけていることに、何の危惧も罪悪感も抱いていないのが現実ではないか。