The White House 『WE the PEOPLE』より
りゅうちぇるが、またまた勇気ある発信をしてくれた。
本サイトではこれまでりゅうちぇるの同調圧力に抗い個人の人権や多様性を尊重する発言を度々紹介・賛同しており、つい昨晩もりゅうちぇるの同性婚問題をめぐる「伝統より、個人の人生、多様性を大切に」という発言をお伝えしたばかりだが、今回もどうしても紹介させてもらいたい。
沖縄・宜野湾出身のりゅうちぇるが、土砂投入が強行された辺野古新基地建設をめぐって発信し、ネットで大きな話題となっているのだ。
りゅうちぇるはツイッターでこんな記事をリツイートし紹介している(すでに更新されたためか本サイトは確認できなかったが、インスタグラムのストーリーでも紹介していたという)。
〈「トランプさん、辺野古を止めて」 米ホワイトハウスへ嘆願 電子署名10万筆を募る〉
これは沖縄タイムスが13日朝に配信した記事で、アメリカのトランプ大統領に、来年2月に予定されている県民投票まで、名護市辺野古の新基地建設作業の停止を求める電子署名活動を紹介する記事。ホワイトハウスの請願書サイト「We The People」のURL のリンクも貼られている。
「We The People」は市民がそれぞれの問題意識に基づいてアメリカ政府に直接提言・請願するためのサイトで、30日以内に10万筆の署名が集まれば、ホワイトハウスが検討するという仕組みになっている。
〈Stop the landfill of Henoko / Oura Bay until a referendum can be held in Okinawa〉(=県民投票まで、辺野古・大浦湾の埋め立てを止めて)と題された同署名は、今月8日より始まり、来年1月7日までに10万筆集めれば、ホワイトハウスが対応することになっている。(同署名はこちらから)
署名者の資格は13歳以上で、居住地や国籍は問われないので本土の人も協力できる。土砂投入前後からネット上で大きな話題となっており、本サイトが確認したところ本日17日13時時点で、すでに7万5000筆集まっている。
先週14日、安倍政権が辺野古の海へ土砂投入を強行した。沖縄の民意を踏みにじり、法的手続きさえもないがしろにした暴挙であり到底許されるものではない。強行の本当の目的は、「もう後戻りできないところまで来てしまった」「土砂が投入された以上、工事は止められない」と諦めムードを作り出し、抵抗しても無駄だと県民に諦めさせることだ。
沖縄はまだ諦めていない。その意志を示すため、この署名もまた大きな意味のある動きのひとつだろう。
そして、この署名をりゅうちぇるのような発信力のある人物が自らのSNSで紹介したことの意味も非常に大きい。
本サイトでも繰り返し指摘しているとおり、芸能人政権に批判な発言をするとネトウヨや安倍応援団たちから攻撃され、炎上を恐るメディアからも敬遠されるなど大きなリスクがある。しかも、沖縄基地問題といえば、ネトウヨたちが沖縄ヘイトを撒き散らすなど、最も激しい攻撃対象となるテーマのひとつだ。亡くなった翁長雄志沖縄県知事に追悼コメントしただけの安室奈美恵すら攻撃を受けたくらいだ。
りゅうちぇるは、子どもの名前やタトゥーなど私生活について難癖のような炎上攻撃をしょっちゅう受けているとはいえ、沖縄基地問題について発信するのは大きな勇気がいっただろう。
それでも、りゅうちぇるがあえてこの署名を紹介したのは、沖縄そして米軍基地問題への強い思いがあるからだ。
今年6月23日沖縄「慰霊の日」を前に、りゅうちぇるは複数のメディアでインタビューに登場している。当時、本サイトでも、りゅうちぇるが語った、自身のルーツと沖縄への思いを記事にして紹介した。
りゅうちぇるの祖母が体験した沖縄戦の残酷、祖父は戦争中に日本に来た米兵というルーツ……戦争抜きでは語れないりゅうちぇるのファミリヒストリーは沖縄の歴史そのものでもある。
りゅうちぇる自身も、米軍基地の危険と隣り合わせで育った。沖縄のなかでも、りゅうちぇるは普天間基地のある宜野湾市の出身だ。「今も米軍基地があるから、戦争を身近に感じます。宜野湾市にあった自宅前には普天間飛行場があり、ヘリコプターや飛行機が爆音を響かせて飛行するのは当たり前の光景でした」と振り返っている。
実際に、大きな危険にも遭遇している。たとえば2004年の米軍ヘリ墜落事故の際、小学生だったりゅうちぇるは、まさに墜落の瞬間を目撃した体験も語っている。
政府は「辺野古新基地は普天間の危険除去のため」という詭弁を使い、ネットでも辺野古反対の市民に対し「普天間の住民の気持ちを考えろ」などと沖縄の分断を図るような言説も跋扈しているが、これは普天間か辺野古かの問題ではない。米軍基地のほとんどを沖縄だけに押し付けているという、沖縄への抑圧・差別の問題だ。
りゅうちぇるはなぜ辺野古埋め立て中止嘆願の署名を紹介したのか。以下に、今年の「慰霊の日」の記事を再録するのでりゅうちぇるの基地問題と戦争、沖縄への思いをぜひご一読いただきたい。
(編集部)