欠陥だらけの「司法取引」が恣意的な狙い撃ち捜査と冤罪を生み出す
また、今回の逮捕劇ではもうひとつ、浮き彫りになったことがある。それは「司法取引」という制度の危うさだ。
米国由来のこの制度に欠陥があることは以前から指摘されてきた。というのも、司法取引にはもともと冤罪を引き起こす危険性がある上、日本の司法取引では、米国のように、情報提供者が嘘の供述をした場合に適用される「虚偽供述罪」が用意されていないため、いくらでも恣意的な証言ができるからだ
しかも、日本の検察の体質を考えると、司法取引が、企業ぐるみの犯罪の刑事責任を特定個人に押し付け、「魔女狩り」的な狙い撃ちに使われる危険性がある。
今回はまさに、そうした司法取引の負の部分がもろに出た気がしてならないのだ。ゴーン会長が大量リストラの一方で私腹を肥やしていったという事実自体は批判されるべきだが、それとは別に謀略的な捜査の裏側についても検証されるべきだろう。
(編集部)
最終更新:2018.11.21 11:48