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櫻井よしこに続き西岡力も「捏造」を法廷で白状! 安倍応援団や右派の朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈

西岡力・櫻井よしこが根拠として提出した記事に、強制連行を裏付ける記述が

「まずいですね」で済む問題ではない。もはや“捏造”どころか、西岡氏による「創作」というべきだろう。なお、西岡氏と原告側弁護士とのやりとりに出てくる「月刊『宝石』の記事」というのは、ジャーナリスト・臼杵敬子氏が同誌1992年2月号に寄せたもので、そのなかには金学順さんの証言が掲載されている。西岡氏はこの記事を証拠のひとつとして裁判に提出しているのだが、むしろ「宝石」記事には、金学順さんが強制連行されたことを裏付ける証言が掲載されていた。

〈着いたところは満州のどこかの駅でした。サーベルを下げた日本人将校二人と三人の部下が待っていて、やがて将校と養父との間で喧嘩が始まり「おかしいな」と思っていると養父は将校たちに刀で脅され、土下座させられたあと、どこかに連れ去られてしまったのです。
 私とエミ子は、北京に連れて行かれ、そこからは軍用トラックで、着いたところが「北支のカッカ県テッペキチン」(鉄壁鎭)だったと記憶しています。中国人の赤煉瓦の家を改造した家です。一九四〇年春ごろでした。〉(「宝石」での学順さんの証言)

「養父」というのはキーセン学校の経営者のことだが、日本人将校がその養父を暴力で脅して排除。金学順さんは日本軍のトラックで連れて行かれたという証言だ。前述のハンギョレ新聞も“養父は日本軍による武力で私を奪われた”と同じ趣旨を学順さんの発言として報じている。つまり、西岡氏はどこにも書かれていない「親に身売りされて慰安婦になった」というくだりをでっち上げただけでなく、こうした日本軍による強制性を裏付ける証言を意図的に無視してきたのだ。

 それだけではない。西岡氏はいたるところで“挺身隊は慰安婦とは関係なく植村氏の虚偽である”と主張しているが、そもそも事実として、金学順さん本人が1991年8月14日の会見で「挺身隊」という言葉を用いている。また、当時の社会認識として、韓国メディアも日本メディアも「女子挺身隊」と「慰安婦」は同じものだという前提で記事を書いており、これは1991年9月3日付産経新聞大阪本社版にも〈「挺身隊」の名のもとに、従軍慰安婦として狩りだされた〉と表現しているとおり。端的に言って西岡氏の誤りだ。

 西岡氏は〈自分で、キーセンに売られたと話している老女を「挺身隊として強制連行された慰安婦」として、平気でウソを書く新聞記者〉(『増補新版 よくわかる慰安婦問題』草思社)と植村氏を攻撃するが、「平気でウソ」をつくとは、まさに西岡氏のことではないのか。

 ようは、植村氏を「捏造記者」呼ばわりして攻撃し、殺害予告まで起きたバッシングを扇動した西岡氏のほうが、実は、証言や資料を捻じ曲げ、あろうことか「慰安婦の強制連行はなかった」という右派の“願望”にそうよう捏造までしていたのである。

 前述したもう一つの裁判、札幌地裁の法廷での櫻井よしこ氏の虚偽判明も、西岡氏のデタラメとよく似た同じ構造をしている(詳しくは本サイトの過去記事を参照https://lite-ra.com/2018/04/post-3921.html)。いずれにしても、こうしたデタラメな言説を繰り返された結果、植村氏は不当にも“血祭り”にあげられてしまったのだが、その責任は西岡氏や櫻井氏らだけにあるのではない。極右言論人にまる乗りしてバッシングキャンペーンを張った「週刊文春」などのメディアもまた同罪だろう。

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