朝日・慰安婦報道を「捏造」と攻撃し続けた西岡力のほうが捏造していた!
西岡氏が「捏造記事」と言いふらしているのは、朝日新聞1991年8月11日大阪朝刊に掲載された植村氏の署名記事「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口を開く」だ。挺身隊問題対策協議委員会(挺対協)が、元慰安婦の金学順さんに聞き取りをしたテープ等を元に、〈「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」〉の生存などを報じたもので、その後、金学順さんは日本国を相手に集団提訴に踏み切った。
西岡氏の言う「このとき名乗り出た女性」は金学順さんを指し、「親に身売りされて慰安婦になったと訴状に書き」がこの提訴時の訴状のこと。「韓国紙の取材にもそう答えているというのはハンギョレ新聞の記事のことだ。
その後も西岡氏は著書などで、ハンギョレ新聞を根拠として「金学順は40円でキーセンとして売られた」という趣旨の主張を続けてきた。いわゆる“慰安婦たちは日本軍に強制連行されたのではなく、キーセンとして合法的に売られた”という「人身売買説」である。
ところが、だ。実際には、訴状のなかに「親に身売りされて慰安婦になった」などという記述はまったく存在しなかった。さらに「韓国紙で金氏が40円で売られたと話している」という根拠も、なんと西岡氏が“捏造”したものだったことが裁判のなかで判明したのだ。
「週刊金曜日」2018年9月29日号に掲載された、水野孝昭・神田外語大学教授によるレポートによれば、原告弁護団から訴状に「親に身売りされた」との記載がなかったことを追及された西岡氏は、「記憶違いだった」と虚偽を認めた。
また、ハンギョレ新聞の記事は西岡氏自身も翻訳しているのだが、原告側弁護士が記事原文とそれを引用した西岡氏の著書の初版を比較。「私は四〇円で売られてキーセンの修行を何年かして、その後、日本の軍隊のあるところの行きました」という西岡氏の翻訳について、この記述は原文にはないと追及すると、西岡氏は「ありません。間違いですね」を認めたというのだ。「週刊金曜日」は、その9月5日東京地裁での本人尋問の一部をこう伝えている。
弁護士「いかにも本人の発言であるかのような、この文章はどこから持ってきたのですか」
西岡氏「覚えていないですね。まずいですね」
弁護士「まずいですよね。これは記事の引用ですか? 元の文書がどこかにないとおかしいですね?」
西岡氏「おかしいですね」
弁護士「それとも月刊『宝石』の記事をもとにして、あなたが勝手に作って書き足した言葉ですか?」
西岡氏「うーん、覚えてないですね。これ間違いですね」