安倍首相が惚れ込む、貴乃花の軍国主義思想
実際、貴乃花は安倍政権にとってはうってつけの候補と言っていいだろう。それは、出馬すれば、「100万票にも手が届く」という人気だけではない。その思想がまさに安倍首相好みだからだ。
貴乃花といえばことあるごとに「改革」を唱え、“相撲協会を相手に孤軍奮闘する改革派の旗手”というイメージが流布している。たしかに、相撲協会がムラ社会丸出しの旧態依然とした不正隠蔽集団であることは言うまでもない。しかし、本サイトでも何度も指摘してきたように、貴乃花の体質も相当にとんでもない。
というか、その思想だけをとれば、極右カルトとしか思えないものだ。部屋で貴ノ岩以外の外国人力士をとらず、相撲協会の日本国籍条項の変更に反対するなど、排外主義的、純血主義的姿勢をつらぬいているのはもちろん、軍国主義を彷彿とさせる発言も連発している。
たとえば、貴乃花部屋のHPには自らを〈軍神のように生まれてきた思いがいたします〉〈日本の国益のお役に立てるための、相撲道の本懐を遂げるためのものです〉というそれこそ戦前丸出しのメッセージが掲載されたこともある。
昨年の九州場所の千秋楽パーティでも「日本国体を担う相撲道の精神」などとあいさつしたことが報じられた。
また、「週刊朝日」(朝日新聞出版)の報道で、騒動渦中に、あの“炎の行者”・池口恵観氏にこんなメールを送っていたことも明らかになった。
〈国家安泰を目指す角界でなくてはならず“角道の精華”陛下のお言葉をこの胸に国体を担う団体として組織の役割を明確にして参ります〉
〈力と美しさそれに素手と素足と己と闘う術を錬磨し国士として力人として陛下の御守護をいたすこと力士そこに天命ありと心得ております〉
〈角道、報道、日本を取り戻すことのみ私の大義であり大道であります〉
「軍神」「国益」そして「国体」という言葉、教育勅語にも出てくる「精華」という言葉からは、貴乃花がいかに極右思想にはまっているかがよくわかるが、もっと唖然としたのは「報道、日本を取り戻す」のフレーズだ。いったいどこで仕入れたかは知らないが、この言葉、安倍首相とほとんどそっくりではないか。