安倍応援団・有本香は、表向き杉田批判する一方、ネトウヨ番組では本音開陳
実際、火の粉が降りかかるのを避けようとしている杉田のお仲間は、百田センセイだけではない。たとえば、安倍応援団の自称ジャーナリスト・有本香氏も、このところTwitterでは〈杉田さんの雑な発言を擁護はしないが〉などと一線を引いている風のアピールをしている。
しかし、実のところ有本氏は、ネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(7月26日)でこんなふうに主張していた。
「今回杉田さんが寄稿された、抜き出されたこの部分はやっぱり私もどうかなとは思いますが、全体の論旨としては別にそれほど間違ってないんですよ」
「杉田さんが議員になる前、まあ、この番組なんかに気楽にお越しになっていたときの立場だったら、それ(=“LGBTは生産性がない”という発言)は別にいいんですよ。『この人、爆弾発言するね』ぐらいの話でしかないから」
「こんなことであんまり足元を掬われるのはよくない」
「杉田さんに辞めろなんてデモするとか、そういう示威行為なんてとんでもない」
念のため確認しておくが、本サイトでも先日の記事(https://lite-ra.com/2018/07/post-4156.html)で詳細に指摘したように、杉田のLGBTヘイトは、〈LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり、「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか〉という部分だけではない。
寄稿した文章は冒頭から一貫して、LGBTに対する偏見と蔑視、差別感情にまみれた代物だった。ゆえに、全体の論旨は間違っていないとする有本氏の評価は、まさにLGBTや社会的弱者に対する差別や蔑視を肯定するものに他ならない。
そのうえで言うが、有本氏は「杉田議員の議論は雑」とか「抜き出された部分は私もどうかなとは思う」などと批判風のポーズを取り繕っている一方、実際には、LGBTヘイトに対して「こんなこと」「『この人、爆弾発言するね』ぐらいの話」なる扱いをして、問題を矮小化しながら、当たり前の抗議デモに対しても「そういう示威行為なんてとんでもない」とバッシングしているわけである。
これだけでも呆れてしまうが、さらに有本氏は番組内で、杉田が〈先日、自分はゲイだと名乗る人間から事務所のメールに「お前を殺してやる!絶対に殺してやる!」と殺人予告が届きました〉とツイートしたことに関して、「もう殺しに来るなら来てみろっていうぐらいのことを言ってもらいたかったな、私はせめて」と口走っていた。もはやその本性がだだ漏れとしか言いようがないだろう。
つまるところ、有本氏にしても百田センセイにしても、杉田発言の差別性や悪質性をまったく理解することなく、単に表面的に批判する風を装っているだけなのだ。それは、LGBTだけでなく社会的弱者への想像力にかけた、極めてグロテスクな杉田発言と同根の本性を隠しているにすぎない。逆に言えば、杉田のお仲間である百田たち極右文化人が、今回、本音をひた隠して、ポーズだけでも杉田を批判せざるをえなかった理由があるとすれば、ひとつしかないだろう。
それは、杉田一人に問題の全てを背負わせることで、大好きな安倍首相と自民党に問題が波及するのを、なんとしてでも食い止めるためだ。