大竹しのぶ「社会的な発言をして何がいけないのか?」
彼女のこのような活動はネトウヨからの攻撃対象にもなり、理不尽な炎上やバッシングにもさらされたわけだが、大竹しのぶはそれでも言うべき主張を止めることはない。その背景には、「この社会では生きていくための人としての基本的な考え方、誰もが当たり前に考えなければいけないことだから、発言して、何がいけないのかと思いますね」(「婦人画報」17年10月号/ハースト婦人画報社)という思いがある。この考えは、きっと、明石家さんまも共通してもっているものだろう。
日本では「野球、政治、宗教の話はタブー」という風潮が長くあり、お茶の間で家族同士が政治の話をすることはあまりない。しかし、大竹家では違うという。前掲「婦人画報」のなかで彼女はこんな話もしている。
「私は、内容も法案可決までの進め方も『ノー』でした。でも、息子は『決め方はよくないが、世界情勢やアメリカとの関係を考えれば法案にも一理ある』というスタンス。『じゃあ、戦争になる可能性もあるってことでしょう。もし徴兵されて、戦争に行かなきゃならなくなったらどうする?』『日本を捨てる』『それも淋しくない?』なんて、そんな会話をしたりします。食卓の真ん中に新聞を置いて、『これどう思う?』と話しだすことが多いですね。新聞好きの母が音読する記事について、みんなで話し合ったりもします」
こういった会話にさんまも入っていったことがあったのだろうか離婚してから25年近くの時が経ったいまも、番組共演したり大竹しのぶの還暦パーティーに参加したりといった関係を保てている理由について二人は「子どもたちのおかげ」としているが、それはもちろんあるとして、それとはまた別に、本稿であげてきたような「根っこの部分」で共通するものをもっているというのも大きいのではないだろうか。
(編集部)
最終更新:2017.12.24 11:54