その背後にあるのはジャニーズの東京オリンピック・パラリンピック戦略だ。ジャニーズは嵐を“オリンピックの顔”にすることを狙っており、そのために、こうして毎年、メンバーにひとりずつ順番にNHKで紅白の司会をやらせ、オリンピックイヤーに5人そろったかたちで大掛かりなオリンピックがらみのプロジェクトを立ち上げるということを考えているというのだ。
ジャニーズ事務所が東京五輪に並々ならぬ意欲をもっていることは事実だ。実際、五輪招致が決まると『JOHNNY'S 2020 WORLD』という公演を立ち上げ、ジャニー喜多川社長自ら演出する舞台に組織委の森喜朗会長を招待している。TOKIOに、五輪旗のフラッグツアーのアンバサダーをやらせたのもオリンピックに食い込むための布石だといわれている。
嵐は最終的に、オリンピックイヤーはNHKと組んで大々的な五輪応援イベントをやるという話があるのはもちろん、開会式のジャニー社長の演出や嵐の出演、あるいは公式サポーター的な役割まで本気で狙っているんじゃないかという話もある。
今年の二宮の司会ぶりがどのようなものであったとしても、この流れで嵐司会リレーが続いていくのは間違いないだろう。
しかし、こうした動きを見ていると、脳裏をかすめるのはファンの間でささやかれているあの噂だ。SMAP独立騒動は、表向きは「週刊文春」(文藝春秋)のメリー喜多川副社長インタビューの最中に「やめなさい」と罵倒された飯島三智マネージャーが耐えられなくなって、独立に向けて動き始めたとされてきた。だが、ファンの間では、「SMAPからオリンピック・パラリンピックの仕事を奪い取り、嵐にやらせるために、ジャニーズ事務所が飯島マネージャーとSMAPを独立せざるを得ない状況に追い込んだ」という説がまことしやかに流れていたのだ。
たしかに、東京オリンピック・パラリンピックのプロジェクトについては、本体とは別に飯島マネージャーも動いていて、SMAPがやる方向で進んでいたのは事実のようだ。その第一歩として、SMAPは日本財団のパラリンピックサポーターにも就任していた。
また、飯島マネージャーは独立騒動が勃発する少し前、昨年の紅白歌合戦でSMAPを司会にしようと根回しをしており、それがメリー氏の怒りを買ったのも有名な話だ。
「飯島さんはSMAPをNHKの長寿番組である『NHKのど自慢』に出演させるなど、必死でNHKに働きかけていました。飯島さんの熱心さを見ていると、紅白の司会以上の目的があるんじゃないかという気はしていました。ところが、メリーさんはNHKがSMAPを紅白の司会にしようとしていることを知ると、『うちのタレントをすべて引き上げる』と恫喝。これを潰してしまった。これがSMAPと飯島マネージャー独立の決定打となったんです。このことは、SMAP独立をスクープした『週刊新潮』の記事にも書いてありました」(芸能事務所関係者)